ワイナリー訪問記 スペイン 前編
〜カタルーニャ・バレンシア・アンダルシア・エクストレマドゥーラ〜

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2023年6月にコロナ禍後初めてのワイナリー訪問のためスペインへ赴きました。
久しぶりの訪問となるワイナリーだけでなく、新規取り扱いも含め計12軒のワイナリーへ訪問してきました。
カタルーニャからバレンシア、アンダルシアへ南下したのち、エクストレマドゥーラ、マドリッド、カスティーリャ・イ・レオン、そしてバスク、非常に充実した10日間の訪問となりました。
今回のスペイン訪問記を2回にわたってダイジェストでお伝えいたします!

@スマロッカ(ペネデス)  Aアルタビン ビティクルトール(テラ・アルタ) 

Bグリフォイ デクララ(プリオラート/モンサン)  Cフィロキセラ(バレンシア) 

Dアルベアル(モンティーリャ・モリレス)  Eパラシオ ケマド(エクストレマドゥーラ)

@スマロッカ

最初に訪問したのは、カタルーニャ州・ペネデスの生産者スマロッカ。
1983年からこの地でカバを造り続けている、家族経営のワイナリーです。
スマロッカでは、全てのワインに自社畑のブドウのみを使用しており、現在約260haの所有畑ではオーガニック農法を実践しています。養蜂も行い、畑と生物、環境のサステイナブルを重視したワイナリーで、2018年からはほとんどのワインでオーガニック認証を取得しています。
訪問時にオーナーのカルレス・スマロッカが出迎えてくれました。90歳の年齢ながら、今でも週に何度か畑作業を行っている彼の話を聞くと、農家としてのスピリッツと家族経営として続くワイナリーなのだと改めて実感しました。
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スマロッカの所有畑を見渡せる丘
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オーナーのカルレス・スマロッカ(写真左)
S714 番号 S714
商品名 スマロッカ カバ ヌリア オメナッジェ グラン レセルバ
クラス DOカバ
品種 チャレッロ100%
特長 ◎チャレッロ:酸とストラクチャーがしっかりした特徴をもち、スマロッカでは80〜90年の高い樹齢の古木も植えられています。
 
504 番号 V504
商品名 スマロッカ 2CV(ドス・セー・ウベ)オレンジワイン
クラス DOペネデス
品種 チャレッロ・ベルメル100
特長 ◎チャレッロ・ベルメル:カタルーニャ語で「赤いチャレッロ」グリ系ブドウ。ペネデスでもまだ大きく認知されていない土着品種です。
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ヌリア オメナッジェに使用されるチャレッロの畑 樹齢90年
通常のカバの規定よりも長い瓶内熟成期間を経てからリリースされるスマロッカのワイン。地下セラーでは18〜20度の定温で保たれ、ワインが熟成されていました。
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スマロッカのセラー
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より詳しい情報はこちら:https://www.iidawine.com/htm/winery/2109sumarroca.html
取扱ワインはこちら

Aアルタビン ビティクルトール

スマロッカを後にして向かったのは、カタルーニャ州 テラ・アルタのワイナリー、アルタビン。
オーナーのジョアンが笑顔で出迎えてくれ、街やワイナリー、畑を案内してくれました。
アルタビンの位置するバテア村はテラ・アルタで2番目に大きい街であり、文化的としてもワイン造りとしても重要な街だそう。
イベリア時代からイスラム人が居住していた時代まで、長い歴史を有するこの地を表現するため、ラベルのデザインやワイン名もこれらがモチーフになっています。
街を案内してもらう道すがら、住民の人たちみんなから声かけられる人気者のジョアンさん。
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バテアの街並み
アルタビンは現在62haの畑を所有しており、栽培しているブドウはこのエリアを代表するガルナッチャ系品種が大半を占めています。
◎ガルナッチャブランカ:近くに自生しているフェンネルやアニスの香りが特徴。テラ・アルタは、ガルナッチャブランカの栽培面積が最も広く、テラ・アルタのアイデンティティとなっています。この品種が温暖化に対応する樹を探すため15種のクローンを試しているとのこと。
◎ガルナッチャペルーダ:元々収量が少なく、色も淡い。酸が高くスパイシーなニュアンスも出てくる。ペルーダとは「毛の生えた」という意味で、その名の通り葉の裏に毛がびっしり生えています。

また、雨が少なく乾燥したこの地では真っ白な、パナルと呼ばれる特徴的な土壌が見かけられます。保水効果があり、非常にフカフカとしており、根が地中深くまで張ってくれる「スポンジ」のような土壌です。
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フカフカのパナル土壌 毛の生えたガルナッチャペルーダの葉
セラーは新しくなっており、こだわりの醸造容器を紹介してもらいました。
アルタビンでは、同じ品種でもそれぞれの個性を際立たせるため、区画ごとに異なる容器で醸造を行っています。

◎コンクリートタンク:テラ・アルタの土壌から造っており、品種の個性をキープしながらまろやかに発酵が可能となるそう。カリニェナなどに使用。
◎アンフォラ:エクストレマドゥーラの土壌とイタリアの土壌を使用した2種類のアンフォラを使用。容器の内と外で酸素の交換が非常に細かな単位で行われるため、まろやかな口当たりのワインとなるそう。
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テラアルタの土壌を使用したコンクリートタンク オーストリア産 ストッキンジェール樽
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アンフォラ:スペイン産(左)イタリア産(右)
単一品種、オーガニック栽培をコンセプトにしたニュープロジェクトのVINERELLESや、アンフォラを使用した超限定醸造のセレクシオシリーズなど、テラ・アルタ、そしてジョアン自身を表現したいという思いからハイレンジワインにも挑戦中。栽培家、醸造家でもありながらまるでアーティストのようなアルタビン、ジョアンの夢が詰まったワインに終始感動したスタッフ一同でした。 altavins_8
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飯田