オーガニック実践 100%自社畑の贅沢な造りにこだわったカバの生産者
SUMARROCA スマロッカ

スマロッカの歴史  贅沢を極めたこだわりの造り  スマロッカの所有畑

トップキュヴェ<ヌリア>  オーガニック  スペインオーガニック事情

スマロッカの歴史

カバの銘醸地として世界的に広く知られた、スペイン・カタルーニャ州にあるペネデス。
<スマロッカ>はこの地で1983年からカバを造り続けている、家族経営のワイナリーです。

スマロッカ家は以前ピレネー山麓でブドウ栽培を行っていましたが、1980年代初めにペネデスにやってきました。当時は約60haからスタートしましたが、1999年、特に高品質なカバが造られることで知られる、サン・サドゥルニ・ダノイアの象徴的な畑を土地の貴族であるモニストロル公爵から400haほど購入します。公爵はお金に困り、所有する畑の中で最上の部分をこっそりスマロッカ家に売却しました。最大手のスパークリングワインメーカーも購入の意思があり、スマロッカをはるかに上回る金額を提示しましたが、公爵は先に交渉していたスマロッカ家との約束を守ったといいます。
このエリアはフィンカ・スマロッカと改名され、以降、同社はこのエリアをはじめとしたブドウから素晴らしい品質のカバを造っています。

スマロッカファミリー写真

現在、スマロッカのカバはサンペレグリノの世界のベストレストラン50でトップに選ばれた三つ星“EL CELLER DE CAN ROCCA (エル・セジェール・デ・カン・ロカ)”でのオンリストや、イギリスの権威あるワインクラブでもハウスカバとして選ばれるなどの実績を残すまでとなっています。

贅沢を極めたこだわりの造り

スマロッカのワインが高い支持を受ける秘密は、その贅沢な造りにあります。

@フリーランジュースを贅沢に使用

フリーランジュースとは、一般的に圧搾をせずブドウの自重だけで、自然に流れ出た果汁のことを指します。いわゆる一番搾りの果汁のことですが、種子や果皮などから苦味が抽出されないピュアな味わいを得ることができると言われています。スマロッカでは、贅沢にトップキュヴェのヌリアで100%、通常のカバでも50〜60%のフリーランジュースが使用されています。

A規定より長い瓶内熟成期間

通常カバではレセルバクラスの熟成における法的規定は最低15カ月ですが、スマロッカでは20カ月以上瓶熟させ、このレセルバクラス以上のカバの場合には、エチケットに「SUMARROCA」のロゴを印字し、その品質を保証しています。エントリータイプのブジョニスでも10〜12カ月という長い熟成期間です(カバの法的熟成期間は9カ月)。さらに打栓後は、6カ月保管して味わいが落ち着いてからでないと出荷をしないというこだわりです。それゆえ、長期熟成由来のデニッシュのような風味に心地よい泡、ベースワインの果実味が相まって、ユニークで非常に美味しいカバを味わうことができます。

Bドサージュの少なさ

ドサージュとは、醸造の最終課程において、酸味と甘味のバランスを調整するために加糖を行うことです。シャンパーニュなどの冷涼なエリアでは酸味の高いブドウが収穫されますが、カバの銘醸地ペネデスは地中海性気候の恩恵を受け、十分に熟したブドウからは果実の風味がしっかりとしたワインが造られます。そのため、ドサージュはほとんど行われず、ブドウ本来の豊かな風味を楽しむことができます。

スマロッカの所有畑

現在3つのエステートを所有し、栽培から醸造、瓶詰めに至るまで一貫した徹底管理を行っています。
各エステート、計465haの所有畑から厳選したブドウでワイン造りが行われています。

@Moli Coloma (モリ コロマ) 36ha ※現ボデガ所在地
1980年代初めに購入。ペネデス北部のスビラッツ。
敷地内に美しい15世紀の建物と地下セラーが残る。
砂と砂利が混ざった土壌。テンプラニーリョやピノノワールなどを栽培。

AFinca Sumarroca(フィンカ  スマロッカ) 403.8ha
1999年、土地の貴族であるモニストロル公爵から購入した特別な畑。
ペネデス北部のサン・サドゥル二・ダノイアとモニストロル・ダノイア。
山の影響で乾燥した気候。やや痩せた、石灰質の粘土ローム土壌。カバ用のブドウを中心に栽培。

BHeretat Sabartes (エレタット サバルテス) 25ha
1980年代初めに購入。ペネデス南部のバニェレス・デル・ペネデス。
海の影響が強い比較的温暖な気候。粘土の多い土壌。シャルドネやミュスカなど白品種を栽培。


 

トップキュヴェ<ヌリア>

創業者の奥様の名前を冠した<ヌリア>は、単一畑・単一品種・単一年のブドウを使用した、スマロッカトップキュヴェのプレミアムカバです。アンフォラをかたどったボトルは、女性・母への敬意を込めて造られた逸品でもあります。2016年よりスタートして以来、スマロッカ随一の素晴らしい味わいを生み出し続けています。

ヌリアシリーズのこだわり
@優れた土壌を誇る小さな2〜4haの単一畑のみから生産
A単一年のブドウを使用したヴィンテージカバ
B通常カバのグランレセルバの規定よりも長い、最低36カ月の瓶熟成(ロゼを除く)
C最高樹齢90年の樹から低収量のブドウを使用
D100%フリーランジュース使用
Eドサージュは5g/lとごくわずか


ヌリアシリーズ取り扱いアイテム一覧
商品名
SUMARROCA CAVA NURIA CLAVEROL BLANC DE NOIR GRAN RESERVA
スマロッカ カバ ヌリア ブラン ド ノワール グラン レセルバ
番号

S428

品種
ピノノワール100%
標高400m、フィンカ・スマロッカで最も標高の高い「ロセンド」という2.3haの単一畑。
東/南東向き。東、北と西には森と山に囲まれ、強い日差しと乾燥した風から守られている区画。
極めて石灰質の多い土壌。
栽培
平均樹齢23年。ダブルギュイヨ仕立。植密度3,500本/ha。
8月末に手摘みで夜間収穫。年産3,000〜5,000本。
醸造
フリーランジュースのみ使用、ステンレスタンクにて14℃で18日間発酵、最低36カ月瓶熟。ドザージュは4.5〜5g/l。
コメント
赤い果実とミネラルリーでフレッシュなアロマに長期熟成によるブリオッシュの風味。
アジアンフルーツの風味にイキイキとした酸とほのかな甘みが調和。
 
 
商品名
SUMARROCA CAVA NURIA CLAVEROL ALLIER GRAN RESERVA
スマロッカ カバ ヌリア アリエ グラン レセルバ
番号

S2673

品種
シャルドネ100%

「コルス」という3.75haの単一畑。標高150m。東〜西向き。
内陸からの乾燥した風と海からの風の影響を受ける区画。
水はけの良い、小石や石灰を多く含む砂ローム質土壌が、ワインに素晴らしい個性を与える。

栽培
平均樹齢25年。ギュイヨ仕立て。植密度3,000本/ha。収量30hl/ha。
醸造
フリーランジュースのみ使用。アリエ産新樽(225L)にて16℃で18日間の一次発酵・3カ月樽熟。
樽熟期間にバトナージュを行い複雑さを引き出す。瓶熟最低36カ月。ドザージュ4〜5g/l。
コメント
ベースワインをアリエ産の樽で発酵・熟成。3年以上の瓶内二次発酵を経たエレガントな味わい。
贅沢を極めたスマロッカ自慢のカバ。
 
 
商品名
SUMARROCA CAVA NURIA CLAVEROL HOMENATGE GRAN RESERVA
スマロッカ カバ ヌリア オメナッジェ グラン レセルバ
番号

S714

品種
チャレッロ100%

「ペレテス」という3.4haの単一畑。標高180m。風通しの良い、東向きの涼しい区画。
砂、小石や化石を多く含む、水はけの良い石灰質土壌。

栽培
樹齢40年以上(約90年の古木も含む)。株仕立て。収量5t/ha。手摘み収穫。
醸造
フレッシュさを保つために、収穫したブドウを10℃まで冷却。フリーランジュースのみ使用。
24時間の低温清澄後、ステンレスタンクにて14〜16℃で約3週間発酵。
最低40カ月瓶熟。ドザージュ5g/l。
コメント
“Homenatge”はカタルーニャ語で「オマージュ」の意。
子供達から母ヌリアへの敬意が込められた逸品。
古木のチャレッロ100種%の、上品で繊細な味わい。
 
商品名
SUMARROCA CAVA NURIA CLAVEROL ROSE RESERVA
スマロッカ カバ ヌリア ロゼ レセルバ
番号

S427

品種
ピノノワール100%

ワイナリーの目の前に位置する「モリ・コロマ」という2.75haの単一畑。
標高100m。東〜西向き。すぐそばを川が流れて、一番涼しい区画。
砂、小石やシルトを多く含む複雑な粘土石灰質土壌。
水はけが良く、乾燥した内陸風の影響も強く、水分を求めて根が深くまで伸びる。

栽培
平均樹齢30年以上。ギュイヨ仕立て。植密度3,500本/ha。
収量4t/ha。有機栽培。手摘み収穫。
醸造
低温でスキンコンタクトを行う。フリーランジュースのみを使用し、24時間の低温清澄後、
ステンレスタンクにて16℃で18日間の一次発酵。
ワインを瓶内二次発酵させ、20カ月以上瓶熟。ドザージュ5g/l。
コメント
2.75haの単一畑。自社畑から厳選した最高のピノノワール種100%で造られる最高級ロゼ。
クリーミーな泡立ちとエレガントかつ力強い味わいが魅力。
 

オーガニックへの取り組み

スマロッカでは、全てのワインに自社畑のブドウのみを使用し、栽培から醸造、瓶詰めに至るまで一貫して徹底的に管理をしています。

また、10年前よりオーガニック栽培への転換を決断して以降、環境に配慮したうえでブドウ栽培を行っています。畑で羊を飼い自社コンポストを造ったり、銅の使用量が少ないカビ菌耐性品種に挑戦したり、出来る限り自然に近い栽培を目指しています。 木食い虫などの害虫対策にはフェロモン剤を使用した第一人者でもあり、化学的な物質は使用せず、天然由来の物を使用したブドウ栽培を心がけています。

そうした努力の甲斐があり、2018年ヴィンテージからは、スマロッカのほとんどのワインでオーガニック認証を取得しています。

スマロッカが取得している認証「CCPAE」
(Consell Català de la Producció Agrària Ecològica)
カタルーニャ州の有機農業統制委員会。1995年設立。
EUオーガニック認定機関。


こうしたオーガニックの取り組みは容易なものではなく、生産者の努力の賜物とも言えます。
スマロッカの所有している465haの畑すべてで、こうした取り組みを行う必要があり、また熟練の技術のために時間と人手に多大なコストがかかっています。ただ、こうしたワイナリーのオーガニックの取り組みにより、消費者が安全なワインを楽しむことができるだけでなく、生物の多様性、土壌を豊かにするという面でも非常に大きな役割を担っています。
 

スペインオーガニック事情

スマロッカでも取り組んでいる、ワイン造りにおけるオーガニック栽培ですが、そのほとんどがスペイン・イタリア・フランスに集中しています。その中でもスペインは世界のオーガニックワインの約30%を占めており、オーガニック農法に関してはEUではトップクラスの栽培面積を誇っています。<オーガニックワイン>とは文字通り、化学物質を使用しないオーガニック農法により栽培されたブドウから造られたワインのことを指しますが、ここ10年間において特にワイン市場において大きな成長を遂げています。

スペインにおけるオーガニックワインの主な生産地域は、カスティーリャ・ラ・マンチャ州・ムルシア州・バレンシア州、そしてカタルーニャ州です。ワイン用ブドウのオーガニック栽培を世界的にけん引するスペインですが、高まる市場でのオーガニックワイン需要だけが原因ではなく、スペインの各ワイナリーにおける環境への行き届いた配慮と関心の高さがこの結果に至ったといえます。また、スペインの多くのワイン栽培エリアでは、ブドウ栽培にとって非常に好ましい気候にも恵まれており、そうしたこともスペインでのオーガニックワイン造りを促進しているといえます。ブドウの成長期に雨が少なく、年間を通じて乾燥した気候のスペイン。病害の原因となる湿気の悩みも比較的少ないため、過度な化学物質の使用が妨げられるという一面もあります。

今後も期待される、オーガニックワイン。是非ワイン選びのヒントにしてみてください。

 
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飯田