特級クロサンドニの最大の所有生産者
テロワールの特徴とブドウのもつ個性を存分に引き出したワイン造り
ドメーヌ ジョルジュ リニエ GEORGES LIGNIER

ドメーヌ・ジョルジュ・リニエ  モレ・サン・ドニと所有畑  栽培

醸造  最新情報 生産者インタビュー動画

ドメーヌ・ジョルジュ・リニエ

ブルゴーニュ、コートドールの北、コート・ド・ニュイ地区にあるワイン産地モレ・サン・ドニ。ジュヴレ・シャンベルタンとシャンボール・ミュジニィなどと並び、非常に優れたワインを生み出します。

ジョルジュ・リニエは従兄弟のユベール・リニエとともに、このモレ・サン・ドニを代表する生産者です。リニエ家は数世代にわたってワイン造りを続けており、本拠地であるモレ・サン・ドニを中心にマルサネ、ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニィなど17のアペラシオンに渡り16haの畑を所有しています。現在ドメーヌを運営しているのは、ジョルジュの甥ブノワ・ステリで、2002年にドメーヌに参加。2008年から単独で醸造を行っていて、2013年からドメーヌ全体を任されています。クラシカルな趣を残したエレガントなワイン造りで評価を得ています。

ブノワ・ステリ
目指すスタイルは、若いうちから飲みやすく、かつ10年経っても若さを保つワインで、ピュアな果実感にこだわっています。先代ジョルジュの伝統的な手法を尊重しながらも、ブドウの持つ潜在的な表現力を、より自然に引き出して語らせるようなワイン造りを行っています。

モレ・サン・ドニと所有畑

モレ・サン・ドニは、プルミエクリュとグランクリュの畑で村の半分以上の面積を占めており、代表的なグランクリュである<クロ・サン・ドニ>の名前をとり、1927年よりモレ・サン・ドニと名乗るようになりました。
モレ・サン・ドニは5つのグランクリュを有していますが、ジョルジュ・リニエはそのうちの<クロ・サン・ドニ><クロ・ド・ラ・ロッシュ>そして、プルミエクリュの<クロ・デ・ゾルム>などの畑を所有しています。

 

@クロ・サン・ドニ

最も北に位置するグランクリュ。シャンボール・ミュジニィにまたがるボンヌ・マールを除き、モレ・サン・ドニにおいて最小の畑となっています。ジョルジュ・リニエは、3.5haのクロ・サン・ドニのうち1.4haの畑を所有し、同特級畑における最大の所有生産者となっています。標高が高く、風の影響を強く受け、また昼夜の寒暖差が大きいのが特徴。繊細できめ細かくエレガントなワインを生み出す畑です。

Aクロ・ド・ラ・ロッシュ

モレ・サン・ドニのグランクリュにおいて最も広い面積を有し、豊富なミネラルをもつ熟成向きワインを生み出します。斜面の下方に位置し、隣接するラトリシエール・シャンベルタンにより北風から保護されているため、昼夜の寒暖差はそれほど大きくなく、日照時間がクロ・サン・ドニより30分ほど長くなるという特徴を持ちます。より完熟しタンニンのしっかりしたブドウから力強いワインが仕上がります。

Bクロ・デ・ゾルム

B 総面積4.5haのプルミエクリュですが、そのうちの2haという大きい区画をジョルジュ・リニエが所有しています。モレ・サン・ドニの北側の特徴をよく表している畑で、男性的で素朴な個性を持つワインを生み出します。若いうちは気難しい一面もありながら、熟成とともに上質な風味が花開いていく素晴らしい魅力のワインとなり、ブノワ・ステリ自身も最も思い入れのある畑のひとつです。

栽培

テロワールを十分に表現するワイン造りを目指し、ジョルジュ・リニエでは、下記のアプローチを大事にしたブドウ栽培を行っています。

リュット・レゾネ

化学肥料は用いず、堆肥のみを使用した栽培を行っています。ブドウ樹の畝の間に草を生やし、土の中の微生物が活発に働くよう、樹の若枝を粉砕して畑に撒いています。また、農薬の使用を最小限に抑え、開花から収穫までは不使用。そのため、開花前に使った農薬が残っていない状態でブドウは収穫されます。オーガニックに近い栽培を行っていますが、必要に応じて最低限の農薬を使用するという選択肢を残すため、リュット・レゾネを採用しています。

◆過去トピックスにも詳細情報掲載しています!
※ワイナリー訪問記 〜オーガニック栽培の今〜 ブルゴーニュ
https://www.iidawine.com/htm/winery/1909bourgogne.html#1


古木のマサルセレクション
歴史の古い家族経営のドメーヌであるおかげで、樹齢の古いブドウ樹に恵まれています。多くの畑が50年代初期に植えられたもので、平均樹齢は65年。古木は昔ながらのマサルセレクションで植樹しています。30年程度で植え替えする生産者が多い中、ジョルジュ・リニエでは、古木にこだわっており、色の淡いブドウのクローンから、エレガントなクラシックスタイルのワインを維持しています。
除草をしない畑づくり
2012年からブドウ畑では除草を行っていません。草のおかげで土壌の生物多様性が増し、ブドウ樹がしっかりと根を張り健全な状態を保つことができることから、土壌の特徴を最大限引き出したブドウを収穫できるという利点があります。また、除草をしないことからブドウ樹に適度なストレスがかかり、自然と収量が落ちる上に、上質なブドウが実をつけます。
 

醸造

ピュアな果実感溢れるワインにこだわり、ドメーヌではクラシックな醸造を採用しています。

除梗の比率は、ブドウの熟度によって毎年比率を変えています。おおよそ10~35%の全房を使用していますが、タンニンやストラクチャーを強化することが目的です。果梗が多すぎると、ワインが固くなりすぎるため細心の注意を払います。果実味を抽出するため、自然酵母を使用し低温でゆっくりと発酵させます。テロワールの個性を引き出す為に新樽はあまり使わず、グランクリュで40%、プルミエクリュで25%程度、ヴィラージュにはほとんど使用しません。樽はあくまで、ブドウの特徴・テロワールの個性を素直に表現するための役割であるとの考えのもと、こうした醸造アプローチを採用しています。また、基本的に清澄・濾過は行いません。ワインから様々な要素を取り除いてしまうのを防ぐため、代わりに時間をかけてゆっくりと沈殿させています。
ワインの質は醸造ではなく、ブドウそのものの出来が影響しているという考えのため、なるべく醸造に手はかけていません。テロワールの特徴・ヴィンテージの個性を反映した、毎年同じようには造れないワインを目指しています。

最新情報

ヴィンテージ情報
2016VT:
霜被害により収量が減少した年。モレ・サン・ドニで約50%減。10月の頭までぎりぎりまで収穫を遅らせ、クラシックなヴィンテージながらも完熟したブドウを収穫しました。

2017年:
繊細でソフトなタンニンで今すぐに楽しめます。フレッシュで飲み心地の良い、親しみやすい仕上がり。前年同様、雹の影響で収量がおおよそ30%減った年でもあります。

2018年:
早熟で水分が少ないため、糖分が凝縮されアルコール度数も高く、タンニンやアロマも凝縮したワインになった年です。2017年の個性と対照的で力強く、少し寝かせてから楽しめるヴィンテージです。

2019年:
順調に生育した年でした。2014年や2012年の個性と似て、クラシックなヴィンテージとなりました。

2020年:
完全にオーガニックで栽培が実現でき、結果的に少量ながらも優秀なヴィンテージとなりました。

2021年:
4月の記録的な霜により、収量が最大60%まで減る可能性も考えられますが、その分、質の良い凝縮したブドウが収穫できることも期待できます。

温暖化の影響について
温暖化はブドウ栽培においてデメリットをもたらすばかりではなく、近年では完熟したピノノワールを収穫できるなど素晴らしいヴィンテージが相次いでいます。100年に1回の優良なヴィンテージに3年連続恵まれたといっても過言ではないほどです。ただし、温暖化への対策も行っています。暑すぎる環境下では、耕された茶色の土壌に太陽光が反射し、温度が高くなりすぎる恐れがあります。ただ、ドメーヌで実践をしているブドウ畑に草を生やすという取組は、太陽反射光による温度上昇を抑制するという効果が期待できます。植生は温暖化への確かな対策であり、バランスのよいブドウを収穫するのには欠かせないことであると信じています。

モレ・サン・ドニを代表する生産者、ジョルジュ・リニエ。テロワールの特徴とヴィンテージの個性を大切にして造られたワインは、驚くほどピュアで素直なブドウの味わいを体現しています。これからもますます期待の高まるジョルジュ・リニエのワインをぜひ一度、お試しください。
 
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飯田