オーストラリアにおけるシャルドネとピノノワールの先駆者でもあり、世界的なセミヨンの生産者
TYRRELL'S ティレルズ

ティレルズについて  歴史  環境への取組  ハンターヴァレーについて

セミヨン  フラッグシップ:ワインメーカーズセレクション  取り扱いアイテム

ティレルズについて

創業当初より、ハンターヴァレーのみならずオーストラリアワイン業界全体のなかで、不動の地位を築いてきたティレルズ。
イギリス移民であった創設者、エドワード・ティレルがセミヨンとシラーズを初めて植栽したのは19世紀半ばのことで、以来、大切に紡がれてきたそのブドウ樹と同様に、ティレルズはハンターヴァレーを語るうえで欠かせない存在になっています。

ティレルズは草創期からオーストラリアワイン産業の発展に貢献してきました。1970年代初めにオーストラリアで初めてシャルドネを商品化、そしてピノノワールの先駆者としても知られています。

常にパイオニア精神を持ち研鑽を重ね、高い品質を求め続けるティレルズの姿勢は世界中で高く評価され、オーストラリアの主要ワイン誌による「オーストラリアン・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」、またはジェームス・ハリデー(2010年)の「ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、国内外のワイン品評会で毎年数々の栄誉に輝き、フラグシップのVAT1だけでも、過去獲得したメダルやトロフィーの合計は5,800回以上と世界トップクラスの受賞暦を誇っています。


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歴史

1858年  エドワード・ティレルがハンターヴァレーの土地にセミヨンシラーズを植樹
1889年  ダン・ティレルが引き継ぐ。69のヴィンテージを生み出し、今日のワイナリーの礎となる
1959年  マレー・ティレルが引き継ぐ。セラードア(ワイナリーへの顧客の受入れ)や区画毎の醸造など、現在のスタイルを確立
1961年  オーストラリアで初めてのワイン通販クラブを発足。会員に対し、少量生産のワインを特別販売
1963年  ヴァット1・セミヨンを初リリース。以降、約5,500個のメダルと330個以上のトロフィーを獲得
1968年  この年植樹されたシャルドネが3年後にヴァット47としてリリースされ、オーストラリア初のシャルドネの製品化となる
1972年  2エーカーの畑にピノノワールを植え、オーストラリアにおけるピノノワールの先駆者となる
1974年  現オーナー、ブルース・ティレルがワイナリーに参画
1979年  「第1回ワイン・オリンピック」で優勝。1976年の「ヴァット6 ピノノワール」が世界最高のワインと称賛される
1983年  シングル・ヴィンヤード・ワインの第一弾として、HVDハンターセミヨンが生産される
2001年  クリス・ティレルがワイナリーへ参画
2006年  ブルース・ティレル、オーストラリアワイン産業への貢献、特にブドウの品質向上、
      オーストラリアワインの研究、ワインツーリズム、輸出機会の支援に尽力したことが評価され、オーストラリア勲章を授与
2020年  「Sustainable Winegrowing Australia」に参加
      山火事による干ばつと煙の影響で、収量85%が消失

環境への取組

ティレルズでは可能な限り持続可能な事業運営を行うため、畑、ワイナリー、そして幅広い事業活動において、環境への影響を軽減するためにできる限りのことを行っています。2009年以降、サステイナブルなワイン造りにも努力し、2020年からオーストラリアワイン業界独自のプログラム、「Sustainable Winegrowing Australia」にも参加しています。
畑の管理
・雑草の丁寧な処理による除草剤の不使用、化学肥料の削減。
・秋の期間、カバークロップの植え付け。土壌の活性化と保水力の向上。
・ブドウの搾りかすと鶏糞、細かく砕いた玄武岩を混ぜた堆肥を使用。
・自然林の維持
エネルギー
2009年以降、燃料使用量を63%、石炭火力発電の使用量を67%削減し、温室効果ガスの排出量も66%の削減を達成。
水の管理
水は貴重な資源であり、ティレルズではワイナリーの廃水をすべて回収、再利用するとともに、水の使用量を記録。
ティレルズでは、90%の畑で灌漑を行っていません。
廃棄物
ワイナリーでは、非常に効果的なリサイクルプログラムを実施。ワイン醸造過程で発生する有機廃棄物も可能な限り再利用。
過去3年で固形廃棄物の量を60%削減することに成功。

ハンターヴァレーについて

ティレルズの本拠地があるのはオーストラリア最古のワイン産地、ハンターヴァレー。シドニーの北西160kmに位置し、80以上のワイナリーがあるオーストラリア屈指のワイン産地です。長い歴史を抱えながらも、ワイン造りを取り巻く環境は同国で最も革新的であり、造り手たちの結束も固い産地のひとつです。名門生産者が軒を連ねるなか、伝統に挑み新たな風を呼ぶ若き醸造家たちの拠り所ともなっています。

ハンターヴァレーの代表品種はセミヨンとシラーズ。最初のブドウの木は1825年に植えられました。ハンターヴァレーの気候は温暖からやや暑いところまであり、1月から4月は降雨量が多く、湿度があり雲に覆われている事が多いです。

そのため、セミヨンは、降雨を避け、酸度が下がる前に収穫し、長期の熟成を経て飲まれています。この土地の気候条件から生み出されたものであり、いわゆる「ハンターセミヨン」として親しまれています。セミヨンは元来、ボルドーのソーテルヌ地区の甘口品種として有名ですが、オーストラリアでは辛口に仕上げるスタイルが伝統的に造られています。
その代表がティレルズの「VAT1 セミヨン」と称されています。

タンニンと凝縮感を中心としているオーストラリアの他の産地に比べてハンターヴァレーのワインは酸がしっかりしており、フルーティーなスタイルになります。ニューワールドの中でヨーロッパスタイルに一番近い産地で、ティレルズのワインも産地由来のエレガントな味わいです。
また、フィロキセラが辿り着いていないため、接木せず自根栽培を行っているのも特徴です。


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セミヨン

セミヨンは、ジェームズ・バズビーが1820年代にスペインからシャンパーニュまでヨーロッパ各地を巡り、採集してきた白ブドウ品種のひとつです。フランスから持ち込まれたセミヨンの挿し木6本は、ニューサウスウェールズ州シドニーにおいて育成されました。これらはハンターヴァレーに植えられ、オーストラリア産セミヨンの礎となりました。

瓶熟成を経た今日の「ハンターセミヨン」は、古典的なオーストラリアワインのスタイルであり、その熟成能力には定評があります。長命なタイプは、アルコール度数が10〜11%と比較的低く、樽熟成を行いません。通常、ブドウは低い糖度水準で収穫されるため、酸味は自然と高くなります。澄んだ果汁は低温で発酵され、清澄と濾過を経て瓶に詰められますが、そのワインがリリースされるまでに長期の瓶熟成が行われます。

国際的なワインコンクールの審査員を務める、ワインライターのジャンシス・ロビンソンは、「ハンターセミヨン」について、「世に授かりしオーストラリアの無比なる宝」であると評しています。

フラッグシップ:ワインメーカーズセレクション

ティレルズ社のフラッグシップは<ヴァットシリーズ>で知られるワインメーカーズセレクション。ヴァット(VAT)は発酵漕で、管理されている番号がそのまま商品名になっています。最上の畑からとれる樹齢の高いブドウを使用、全て手摘みで収穫され伝統的な方法で醸造されます。

このシリーズはティレルズの商品の中でも特に評価が高く、1963年にリリースされたVAT1ハンターセミヨンはオーストラリア最良の白ワインと評されています。1979年にパリで行われたオリンピック・オブ・ワインでは、VAT6(ピノノワール)が世界のトップワインのひとつに選出されるなど、世界中のワインファンを魅了し続けています。


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取り扱いアイテムのご紹介

商品名
TYRRELL’S VAT 1 HUNTER SEMILLON
ティレルズ ヴァット 1 ハンター セミヨン (SC)
番号
V615
品種
セミヨン
ハンターヴァレーの自社畑の中でも最良の区画、「The Short Flat」のブドウのみ使用。軽くて、水はけの良い砂質ロームの沖積土壌。
栽培
1923年に植えられた、台木されていない畑も含む。無灌漑。1月末に手摘み収穫。
醸造
ステンレスタンクにて低温発酵。短期間澱に触れさせ、その後4〜5ヶ月のタンク熟成。
コメント
世界的に大変著名な「オーストラリア最良の白ワイン」と言われるワイン。リリースには4年以上の瓶熟成を要する。
 
 
商品名
TYRRELL'S VAT 6 HUNTER PINOT NOIR
ティレルズ ヴァット 6 ハンター ピノノワール (SC)
番号
V753
品種
ピノノワール
1.5haと3haの2つの区画使用。石灰質の上に赤粘土の深い火山性土壌。
栽培
平均樹齢は約40年。2月上旬に手摘み収穫。
醸造
選果後、約2/3を除梗し、開放式タンクにて発酵。10日間のスキンコンタクト。10ヶ月の樽熟。フレンチオークのみ使用(主に古樽)。清澄を行わず、軽く濾過。
コメント

苺のアロマに豊かな果実味、除梗されていないフルーツ由来の複雑さが加わります。心地よいベリーの味わいに上品なタンニンも魅力的な、優れたヴィンテージのみ生産されるエレガントなピノノワール。年産6,000本のみ。

 
 
商品名
TYRRELL’S VAT 9 HUNTER SHIRAZ
ティレルズ  ヴァット 9 ハンター シラーズ (SC)
番号
V173
品種
シラーズ
所有するハンターヴァレーの畑のなかから、最も樹齢の高い、トップクラスの区画をセレクト。 石灰岩の上に、深い火山性の赤い粘土の土壌。
栽培
平均樹齢50〜70年。灌漑を施さない。2月中旬に手摘みで収穫。
醸造
除梗後、破砕せずに開放式のステンレスタンクにて発酵。 その後、2,700Lのフレンチオーク(主に新樽と1年の樽使用)で約15ヶ月の熟成。
コメント

オーストラリアのシラーズを代表する逸品。樹齢50年以上のブドウから造られ年産僅か6000本。現地でも入手困難なワイン。

 
 
商品名
TYRRELL’S VAT 47 HUNTER CHARDONNAY
ティレルズ ヴァット 47 ハンター シャルドネ (SC)
番号
V638
品種
シャルドネ
ヴァット1にも使われている最良な区画「The Short Flat」のみ使用。砂を含むローム質の堆積した土壌。
栽培
1月下旬の夜明けに手摘みで収穫。
醸造
選果後、直接圧搾。2日間の低温清澄。ステンレスタンクで低温発酵を始めて、途中で、フランス産の小樽(20%新樽)へ移し、澱と共に8ヶ月熟成。マロラクティック発酵は行わない。
コメント
数々の栄誉に輝くオーストラリア屈指のシャルドネ。芳醇でスケールが大きく、樽熟からくる複雑なニュアンスが魅力的。
 

その他にもティレルズではテロワールを活かした素晴らしいワインを造っています。
ワイナリー及び取扱い商品の詳細はこちらからご覧ください。


飯田