銘醸地ヴォーヌ・ロマネ村きっての名門、グロ・ファミリー

グロファミリー  ミッシェル・グロについて グロ・フレール・エ・スールについて

ブルゴーニュのコート・ドールに位置するヴォーヌ・ロマネ村は、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネコンティをはじめ至宝とも言えるグラン・クリュがあり、そのテロワールは何世紀にもわたって特別なものとして認識されてきました。特に、この地で造られるピノノワールのワインは、フィネス、複雑性、熟成のポテンシャルにおいて頂点を象徴しています。
ファン垂涎の的、銘醸ひしめくこのヴォーヌ・ロマネ村にあって、ひときわ名声を博しているのがグロ・ファミリーです。
7世代、約200年にわたりこの地でワイン造りを行っている名門中の名門の一族で、彼らが醸すワインは、今なお世界中の愛好家を魅了しています。
今回は、弊社現地スタッフによるインタビュー動画を中心に、グロ・ファミリーを牽引する二つのドメーヌ、ミッシェル・グロとグロ・F&S(グロ・フレール・エ・スール)をご紹介いたします。
注)それぞれの項目は、全て1本の動画へリンクしております。携帯もしくはダブレットの場合は正しい位置からご視聴頂けない可能性がございますので、複数動画を続けてご覧になる際には、動画視聴ごとに再生をリセット頂きますようお願いいたします。

■グロ家の歴史


・1804年 アルフォンス・グロ(Alphonse GROS)がオート・コート・ド・ニュイの小さな村、ショーに生まれる。
・1830年 アルフォンスはラトゥール家の令嬢と婚姻を結びヴォーヌ・ロマネ村に転居(ミッシェルの現在の住居)、この地でワイナリーを営む。
・1860年 クロ・デ・レアを購入。
・アルフォンスの息子ルイ・ギュスターヴ(Louis-Gustave)が蔵元での瓶詰めを開始。
・1882年 ルイ・ギュスターヴが2haのリシュブールの畑を購入。
・ルイ・ギュスターヴの息子ジュル(Jules)がルノド家の娘ジャンヌと結婚し、ドメーヌ・グロ・ルノドの名義で畑を所有。
・1914-1918年の第一次世界大戦でジュルは息子ルイ(Louis)とともに出兵したが、何とか帰還。
・1920年 クロ・ヴージョ二区画をルイに購入。
・ルイは父の仕事を受け継ぎドメーヌ・ルイ・グロを設立。
・数年後にはグラン・エシェゾーを取得、細分化された3haに及ぶエシェゾーの区画<レ・ロアショス>の再整備のために一生を注ぐ。
・1951年 ルイ死去。ドメーヌは4人の子供たち、ジャン、ギュスターヴ、コレット、フランソワ(Jean, Gustave,Colette, Francois)によって共有、運営される。
・1963年 ドメーヌの分割相続。
・ギュスターヴとコレットは、それぞれの相続分を統合し、ドメーヌ・グロ・F&Sを設立。
・ジャンとフランソワも相続分を統合し、1973年まではグロ・ペール・エ・フィスとしてワインを生産するも、後にそれぞれのドメーヌを設立。
・フランソワはダニエル・クネヒトと結婚後、ネゴシアン業を経て現在のドメーヌ・アンヌ・グロの礎をつくる。
・ジャンは、リシュブール(0.5ha)、ヴォーヌ・ロマネ(0.5ha)クロ・デ・レアの4haを受け継ぐ。その後いくつかの区画を購入し自身のドメーヌを拡大する。さらに、ACブルゴーニュやオート・コート・ド・ニュイとなる未開地の再整備や再植栽にも取り組む。
・ジャンには3人の子供、ミッシェル、アンヌ・フランソワーズ、ベルナール(Michel、Anne-Francoise、Bernard)がおり、ミッシェルはジャンとともにドメーヌを運営(のちに自身のドメーヌ、ミッシェル・グロを設立)、 ベルナールはギュスターヴとコレットのドメーヌで研鑽、アンヌ・フランソワーズはフランソワ・パランと結婚しポマール村でドメーヌA.Fグロを設立、それぞれグロ家の発展に貢献する
・1995年 ジャンの引退に伴い、3人の子供たちにドメーヌを分割
・現在、ドメーヌ・ミッシェル・グロはグロ家の直系7代目にあたるミッシェルの息子ピエール(Pierre)が、ドメーヌ・グロ・F&Sは息子のヴァンサン(Vincent)が、ドメーヌA.Fグロはカロリン、マティアス(Caroline & Mathias)の兄妹がそれぞれ運営を担っている。

グロ・ファミリーの歴史については、6代目のミッシェルが動画で詳しく説明下さっています。こちらをご覧下さい。

 

Domaine Michel Gros ドメーヌ・ミッシェル・グロ(ヴォーヌ・ロマネ)

所有畑: 23ha

Clos Vougeot Grand Cru Grand Maupertui(0.20 ha)
Vosne-Romanee 1er Cru Aux Brulees(0.63 ha)
Vosne-Romanee 1er Cru Clos des Réas(2.12ha)
Vosne-Romanee (0.92ha) 平均樹齢40年の3つの区画
Nuits-St-Georges 1er Cru (0.31ha)
Nuits-St-Georges Les Chaliots (0.82ha) ヴォーヌ・ロマネとの境に近い4つの区画
Morey-St-Denis En la Rue de Vergy (0.23ha)
Chambolle Musigny (0.69ha)  Argillièresをメインに4つの小区画
Bourgogne Hautes Cotes de Nuits Fontaine Saint Martin Rouge (4ha)
Bourgogne Hautes Cotes de Nuits Fontaine Saint Martin Blanc (3.25ha)
Bourgogne Hautes Cotes de Nuits Au Vallon Rouge (3ha)
Bourgogne Hautes Cotes de Nuits Rouge (8ha)
Bourgogne Cote d’Or Rouge (1.2ha)

ジャン・グロの息子であるミッシェルは、父に協力してドメーヌ・ジャン・グロの運営をサポートする一方、1979年にドメーヌをスタート。耕作を放棄されていたオート・コート・ド・ニュイの畑を開拓して自身のドメーヌを拡大していきました。
1995年のジャンの引退の際には、ヴォーヌ・ロマネきってのモノポール、プルミエ・クリュのクロ・デ・レアやニュイ・サン・ジョルジュの畑を継承しました。
その後は、ジャンが再植林に心血を注いだオート・コート・ド・ニュイの区画を整理するなどさらに注力し、今ではドメーヌの生産の半分以上に至っています。地球温暖化が影響し始めた1985年以降はよく成熟したブドウが収穫できるようになり、毎年品質の高いオート・コート・ド・ニュイを産出しています。

<7代目当主 ピエール>

ドメーヌは現在、ミッシェルの息子ピエール(Pierre)に受け継がれ、 ミッシェルは 2019年からアドバイザーとして運営をサポートしています。
ピエールはもともとパリでエンジニアの仕事をしており、平行して5年ほどドメーヌの仕事を手伝っていましたが、栽培と醸造の勉強をして本格的にドメーヌに参画しました。
ピエールの自己紹介動画がこちらです。

<ミッシェル・グロのワイン造り>

基本的にはジャン・グロからのワイン造りを踏襲し、エレガント、洗練されたスタイルが身上のワインを造っています。
・畑では剪定と芽かき作業を重視(平均収量40hl/ha)
・ブドウ樹はギュイヨ・プサールという仕立て方に変更、オート・コートではコルドン式も採用
・どの区画のブドウも全て小箱を使い手摘みで収穫
・すべて除梗
・培養酵母を使用して醸造
・熟成ポテンシャルを意識したワイン造り(18ヵ月と長い樽熟成)
・どのワインも同じ醸造&熟成=同じミッシェルのスタイルが楽しめる
・赤ワインには天然コルク、白ワインにはディアムを使用

ブドウの栽培方法やワインの醸造についてこちらの動画で詳しく説明頂いています。


<培養酵母へのこだわり>

ミッシェル・グロでは、ヴォーヌ・ロマネの畑から厳選して培養された酵母を使って発酵を行います。 土着酵母は、全て同じ酵母が定着するとは限らず、また発酵のトラブルのリスクもあるからです。培養酵母の方がワイン醸造がより安定し、ピュアな味わいのワインが得られると考えています。 ミッシェル・グロらしいワインのスタイルを維持するためにも培養酵母は欠かせません。 詳細はこちらをご覧下さい。

<2つのモノポール>

ドメーヌ・ミッシェル・グロでは、2つのモノポールの畑を所有しています。

クロ・デ・レア
160年にわたりグロ家が所有してきた最も歴史のある区画です。
・塀(クロ)に囲まれた区画で、北風が遮られるためブドウが完熟しやすい
・下層土はサーモン色の泥灰岩
・石灰質土壌ながら、石灰が崩れている状態のデリケートなテロワール
テロワール由来のフィネスがありしなやかなタンニンを持ち、繊細な味わい
詳しくはこちら
   
フォンテーヌ・サン・マルタン
2014年に初リリースした、モノポールのキュヴェで、ミッシェルが父ジャンとともに40年の月日をかけて造り上げた区画のひとつです。
・オート・コート・ド・ニュイのアルナスン村に位置する東南東向きの斜面、標高350〜390mに7hの畑
・ジュラ紀オックスフォーディアン後期の石灰とマールが混ざった土壌
・テラス状の畑(土地の浸食を防ぐ)
・列幅を2.6mにして草を生やし、土壌のに生物を活性化させる
・上部と下部にシャルドネ、中間部にピノノワールを栽培
赤はニュイ・サン・ジョルジュやヴォーヌ・ロマネに似た華やかな味わい、白はコート・ド・ボーヌの上級ワインのようなリッチでまろやかな味わい
詳しくはこちら
   

<オート・コート・ド・ニュイの新たなキュヴェ オー・ヴァロン>

オート・コート・ド・ニュイの中でも、特にはっきりとした個性がある区画がオー・ヴァロンです。

・2016年に初リリース
・樹齢30年、真魔南向きの急斜面に位置
完熟したブドウ由来の太陽をたっぷり浴びたまろやかな味わい
詳しくはこちら
   

さらに今回の動画では、次世代を担うピエールに、
・ご自身にとってワインとは
・これからのワイン業界の展望
・今後のチャレンジ
などを詳しく伺っております。こちらをご覧下さい。

   

趣味は旅行とアーチェリーというピエール。父ミッシェルと同様、温厚で誠実な人柄がうかがえます。
この若き当主も、グロ家の伝統を引き継ぎ、ブルゴーニュワインのお手本となるようなワインを造り続けてくれるでしょう。

動画のフルバージョンはこちら
近年のヴィンテージをはじめ、その他盛りだくさんの内容になっています、是非ご覧下さい。

その他の取扱い商品はこちら

 


Domaine Gros Frere et Soeur ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール(ヴォーヌ・ロマネ)

所有畑:25ha。ピノノワール(約85%)シャルドネ(約15%)を栽培
Clos Vougeot Grand Cru(1.56 ha)
Échézeaux Grand Cru(0.92 ha)
Les Grands Échézeaux Grand Cru(0.37 ha)
Richebourg Grand Cru(0.69 ha)
他、ヴージョ村、ヴォーヌ・ロマネ村、オート・コート・ド・ニュイ、
ブルゴーニュ、VdFに所有

参照: http://g-f-s.fr/ja/page-cinq.html(ドメーヌ・グロ・F&S公式HP)
グロ家直系のジャンの兄妹のギュスターヴとコレットによって1963年に設立されたドメーヌです。1980年にジャンの息子ベルナールが加わり、ギュスターヴが他界した1984年に完全にドメーヌを引き継ぎました。
その後はブドウ樹の入れ替えや、新たにブドウ畑を購入するなど、叔母のコレットを支えながら精力的にドメーヌを運営してきました。
現在は、ベルナールの息子、ヴァンサンがドメーヌを仕切っています。

<現当主としてドメーヌを牽引するヴァンサン>

ヴァンサンはボーヌで栽培と醸造の勉強をしたのち、一旦はパリで2年間音楽の勉強をしましたが、2009年にドメーヌに戻りワイン造りをスタートしました。ローヌ地方のch.モン・ルドンでもワイン造りを経験しています。
今回の動画では、ヴァンサンご自身について色々語って頂いておりますのでこちらをご覧下さい。

<グロF&Sのワイン造り>

熟成のポテンシャルを持ちながらも柔らかく飲み心地が良いのが、グロF&Sのワインのスタイルです。
まろやか、ジューシー、リッチ。。。味わいにインパクトがあり、早くから楽しめるのが特徴です。
すべての始まりは畑から、ということでブドウ栽培を特に重視します。
ドメーヌのフィロソフィーはこちら

畑では、病害予防のため、早めの摘葉、グリーンハーベスト、夏季剪定など、トリートメントの頻度を少なくする工夫をします。 例えば、標高の高い畑では、土壌の養分を多く吸収できるよう、また光合成を促進するため樹高を高く剪定します。 栽培に関する詳細はこちら

ワイン造りでは、どのワインも同じ醸造・熟成をすることでテロワールを最大限に表現しています。
赤ワインは、伝統的な醸造方法でコンクリートタンクを使用します。
酵母の働きを活性化するように醸造の最初にルモンタージュを、色の定着とワインに厚みを出すため発酵の最後にピジャージュを行います。
低温で10日間ほど静置した後12カ月樽の熟成をします。熟成は、ACヴォーヌ・ロマネからリシュブールまで全て新樽のみで行われます。
白ワインは、タンクで24〜48時間果皮浸漬を行い、圧搾・澱引きし、厚みを出すため樽でゆっくり定温にて発酵します。

<樽へのこだわり>

樽はワインの重要な素材であって、オーダーメードの樽を使っています。
三つの森からの木を購入し、4年間(48か月ほど)乾燥させます。市場には、それほど長く乾燥された樽が見つからないですが、乾燥期間がタンニンの質などを大きく影響する重要な基準になるとの事。樽の焼き方も大事にしており、ワインにエレガンスを与えるよう、弱火で長めの焼きにしています。

その他、醸造についてもこちらで詳しく説明頂いております。


   

<スーパー・ヴァン・ド・フランス “シュマン・デ・モワン・ド・ヴェルジ”>

2017年が初ヴィンテージの、「ヴェルジ修道士の道」という名のヴァン・ド・フランスです。 フィロキセラ禍以前まではブドウが植えられていた歴史あるテロワールで、修道士が通っていた道沿いにあることから名付けられました。 AOCではありませんが、ラ・ターシュなどヴォーヌ・ロマネのグラン・クリュの畑にとても近く、シルトの割合が多い粘土石灰質土壌由来の、フィネスに溢れた素晴らしい味わいのワインです。 250年以上も眠っていたテロワールを復活させたグロ・フルール・エ・スールの新たなモノポールワイン、 シュマン・デ・モワン・ド・ヴェルジ。 詳しくはこちらをご覧下さい。
   

<ドメーヌのフラッグシップ リシュブール>

ヴォーヌ・ロマネの中央、ロマネ・コンティの真隣に位置し、年産3000本、ドメーヌのフラッグシップとして好評を博しているのがリシュブールです。 ヴァンサンによる畑の説明はこちら

畑は0.68haを所有。
北東向きで比較的涼しく、ブドウ樹は薄い表土から石灰岩の基層に伸びることで、ワインに力強さとフレッシュさ、比類ない個性を与えています。

グロ・F&Sのリシュブールには、小さな黒い果実にムスクを思わせる官能的かつ個性的な芳香があり、ピノノワール種のと繊細さと複雑さが余すところなく表現されています。10、20、30年・・・と熟成によって真価を発揮する偉大なワインです。

リシュブールに関する詳しい説明はこちらをご覧ください。

毎日ワイナリーで活躍できるのはとても楽しいと語るヴァンサン。
音楽好きで楽しいことはシェアしたいという、父ベルナールと同じく親しみやすい人柄が魅力です。
ブルゴーニュを代表する家族経営のトップドメーヌとして今後の活躍がとても楽しみです。

動画では、その他、様々な質問にヴァンサンが答えて下さっています。
フルバージョンはこちらからご覧下さい。

その他の取扱い商品はこちら  

 

 

飯田