グリフォイ・デクララ オンラインセミナー実施報告

 

05 ロジェールからのメッセージ、Q&A 

最後にロジェールからのメッセージ

3年前(※弊社で取り扱い開始した時期)は、このようにビデオを通じて日本のみなさんと繋がるということは本当に考えもしなかったので、とても嬉しいです。今の状況というのは、またきっと良くなっていきます。過去の歴史を振り返ると、ペストやスペイン風邪などのパンデミックがありました。150年前にはヨーロッパをフィロキセラという害虫が襲い、ほとんどのブドウ畑が壊滅状態になりました。それでも私たちの先祖は逆境に負けずにブドウの樹を植え続け、今そのおかげで私たちはワインを飲むことも造っていくこともできています。

今こうして起こっている困難も必ず乗り越えることができます。私たちも次の世代に胸をはれるよう、一緒に乗り越えていきましょう。今日はビデオでもお会いしましたが、今度は直接、日本で、もしくはエルモラールでみなさんとまた会えることを楽しみにしています。

 
当日のセミナー参加者の方から、多くの質問がありました。セミナー中の質問に加え、時間内に聞けなかった質問も、後日現地から回答いただきましたので、下記に Q&Aとしてまとめています。
 

グリフォイ・デクララ Q&A

【全体について】

Q.プリオラートのほか他の生産者と比べて価格がリーズナブルだと感じるのですが、その秘訣や秘密はあるのでしょうか?

A. たくさん理由はあるのですが、一番分かっていだける簡単なことだけ少しお話しすると、90年代に入ってきた投資家など後から来た方たちとは違い、グリフォイ家はずっとここに根を張って、すでにブドウ畑やワイナリーも持っていたので、新たに投資をしていないということも大きな理由だと思います。プリオラートは機械も入らないですし、ブドウ栽培をするコストがとても高い。ブドウ畑も高い。手作業でやるので人件費もかかる。そういうものを既に持っていたというのが強みだと思います。あとは家族で全部やっていますし、ワイナリーも手作りです。地道に堅実にやっているからだと思います。
 

Q. マウンテン・ワインズの認証ですが今後、他社を含めて拡大していく計画はあるのでしょうか?

A. 最初は私たちのエルモラール村のことを考えて行ってきましたが、徐々に生産量よりクオリティをめざすワイナリーが増えてきています。実際、色々とお問い合わせもいただいていますが、将来、入りたいと興味のあるワイナリーには、扉を閉じるつもりは無いです。ただ、プリオラートで家族経営のワイナリーというのは5%ぐらいしかなくて、95%は大企業です。ですので、家族でずっと営んでいるワイナリーで、クオリティを追求できるところはなかなか無くて、むずかしい状況ですが、クオリティを一緒に高めていく家族がいるというのは嬉しいことですし、それを期待したいと思います。
 

【畑・土壌について】

Q. ロームという土壌はどのような特徴がありますか?

A. 現地ではPanal(パナル)と呼ばれる200万年前の土壌で、堆積物の蓄積によって形成された土壌です。常に多孔質のスレートの小石や、粘土が混ざりあっているので保水性があります。
 

Q. テラス土壌(畑)とはどのような特徴がありますか?

A. 急斜面をテラスにして地形を整えることで、ブドウ畑からの転落を防ぎ、農作業を安全にしてくれます。また、雨による土砂崩れを防げるので、ブドウの木を守る利点もあります。これは、各テラスが崩れやすいスレート土壌をキープするブレーキとして機能するからです。技術的には、テラスを作るときに、スレート土壌の石が砕かれるので、ブドウの木はより深く根を張ることででき、干ばつや高温に耐えることができます。

 

【ブドウ品種について】

Q. ガルナッチャティンタは実の数が多いうえに、過密な実付き(果実の付き方が密着)でしたが、房の内側に湿気がこもり病気になりやすいなどのリスクはないのでしょうか?

A. プライオラートは、他のワイン産地と比較すると乾燥した地域です。さらに年間約300日以上風が吹き続いている為、その風がブドウ畑を健康な状態に保ちます。樹齢100年以上の畑もたくさんあります。それはすなわち、ブドウの木が生涯にわたって病気になるリスクがとても低いことを表しています。
 
Q. カリニェナはガルナッチャに比べて皮が厚いというお話でしたが、これは完熟させるのに時間がかかり、ワインにしたときに、色も濃く出るということでしょうか?

A. はい、カリニェナは長いサイクルのブドウ品種であり、成熟するのにより多くの時間を必要とします。その大きな粒は、より高い酸度に加えて、遅い発芽とともに、太陽光をより必要とします。色もより黒に近い紫色になります。
 

【醸造所・ワイン造りについて】

Q. ワイナリーに上下水道きていますか?また灌漑をしていると思いますが、灌漑用水はどこからきているのでしょうか?地下水や雨水でしょうか?

A. はい。自社の井戸水を使用しています。灌漑には、ワイナリーで使用した水を集める地下タンクや、20%は雨水を貯めたプールからの水を使っています。貴重な水に関しては、リサイクルを心がけ、自然が与えてくれる資源を大切にしています。

 
Q. 天然酵母での発酵とありますが、全てのタンクで満足のいく発酵が進むのでしょうか?発酵が進まないタンクも時にはあると思うのですが、そのような場合も自然に発酵が始まるのを待つのでしょうか?

A. 発酵が止まることのないように始終手塩にかけるのが、ロジェールの醸造家としての仕事です。温度コントロールに細心の注意を払いながら、必要に応じてタンクを加熱または冷却して、土着の酵母を活性化させることができます。また、温度を16℃以上に上げると、自然に発酵が始まります。
 

【気候・天候について】

Q. 今年の収穫(ヴィンテージ)についてもう少し情報を教えてください。

A. 例年より雨が多い年でしたが(雨がふらないプリオラートにしては)、夏の暑さは穏やかで、昼夜の極端な温度差もあまりありませんでした。しかし、6月中旬にとても暑い日が数日あり、ヴェレゾンを少し遅らせました(通常の年と比較して2週間)。
その他の日々は穏やかな夏たったので、晩熟のブドウ品種(カリニェナやカベルネ・ソーヴィニヨン)の成熟が早まり、通常の年の10日前に収穫。よって、すべての品種が同じ時期に成熟した年になりました。全体的に、ブドウの品質は高いですが、生産量は25%減少しました。
 
Q. 140年の歴史があるなかで、(温暖化による)エルモラールの風土や気候、気温などに変化は感じますでしょうか?

A. エルモラール村は、1907年以来、雨や気温など記録しています。古いデータを見ると、乾燥している年、今年のように雨が多い年、極度の暑さの年もありました。 1917年と1945年は、大雨の年、1927年、1961年、1964年は非常に暑い年であったと記録されています。これらのデータから、温暖化の正しい判断をするためには、長老たちが記録した年数よりも、より長い年月が必要だと思います。
 

【ワインについて】

Q. 1株で1kgという収量は1haあたりどれくらいになりますか?

A. それはブドウ品種、樹齢、土壌...によって大きく変わります。樹齢20年のガルナッチャのブドウ畑は、1.1〜1.3 Kg/本 生産。3500本/Ha。
例えば、トッサルス・エクスプレシオンズの樹齢100年以上のカリニェナは、0.4kg /本、3000本/Ha。

(補足:グラン・プレディカット・ブランは樹齢45年。植密度3,800本/ha。=収量3,8t/ha。搾汁率60%で22.8hl/ha 。)
 

Q. グラン・プレディカット・ブランは、今飲むならどのヴィンテージが良いでしょうか?

A. 2017年ヴィンテージが、今飲むのにとても良いと思います。とはいえ、酸がしっかりしているので8〜10年後にも美味しく飲んでいただけると思います。

 
Q. グラン・プレディカット・ブランは、マロラクティック発酵はしますか?

A.アルコール発酵が終了したら、すべてのワインでマロラクティック発酵を行います。
グラン・プレディカット・ブランは、新大樽(600L)でアルコール発酵の後マロラクティック発酵を行います。
 
Q. 今回、紹介のなかったワインも、とてもエレガントになった印象がありました。やはりマウンテン・ワインズになったことが関係するのでしょうか?

A.ロジェールの回答は、「その通り!」との事です。DOモンサンではなく、マウンテン・ワインズの厳しい品質管理の基準の中で、ブドウ栽培からワイン造りまでしているので、それらのこだわりは、より高品質なワイン造りにつながっています。
 
Q. プレディカットについて、なぜメルロをブレンドするのでしょうか?

A. マウンテンワインズ(トッサルス セレクシオ)のコンセプトは、プリオラートの固有の品種のみ使用し、プリオラートのテロワールを守ることです。DOQプリオラートの中で知名度のあるプレディカットは、もう少し国際的であるため、国際的なブドウ品種であるメルロを10%ブレンドすることで、トッサルス セレクシオとプレディカットの差別化を計りました。国際品種のメルロは、プリオラートの土地に適していてよく成熟します。
 
Q. トッサルス セレクシオ、プレディカットのブドウ品種の使用割合は年度によって異なりますか。

A. トッサルス セレクシオは、常に50%・50%であるため、ほぼ変わりません。
プリオラートの土着品種が均等に混合された、より固有の状態でテロワールを示すためのワインだからです。プレディカットは年によって若干変わるかもしれません。
 

【その他】

Q.プリオラートでは白ワインが希少ですが、ロゼワインは存在しますか?またプリオラートロゼを造る予定はあるのでしょうか?

A. 良いロゼを作るには、タンニンが少なく、飲みやすいように、収量の非常に高いガルナッチャやメルロが必要です。プリオラートは収量が低く、凝縮したブドウが採れます。プリオラートでロゼワインを造るためには、色、香り、ストラクチャーを下げるために多くのエネルギーが必要になるため、ロゼを敢えて作るつもりはありません。ロジェールは、プリオラートは、ロゼワインが盛んな産地とは反対の個性を持つ産地だと信じています。
 

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飯田