銘醸地ツェルティンゲン村で350年 モーゼル屈指の醸造所
SELBACH-OSTER ゼルバッハ オスター

モーゼル地方  モーゼルの土壌 モーゼルの仕立て ドイツと甘口ワイン

ゼルバッハオスターの歴史  ワイン造りの哲学 

オーナーご挨拶(動画)  取り扱いアイテム 

ドイツ モーゼル地方

ルクセンブルグとの国境に接するドイツ最西のワイン産地、モーゼル地方は、その名の通りモーゼル川の流域に位置し、川の流れに沿って斜度30度を超える急斜面に畑が広がっているドイツ国内でも屈指の景観を誇るワイン産地です。
上流部のオーバーモーゼルは石灰岩メインの土壌ですが、その他の地域は粘板岩の土壌で有名なエリアになります。

   
太陽が南向きの急斜面を照らすだけでなく、モーゼル川の川面が太陽の光を反射しブドウ木に降り注ぎます。また、斜面の最上部には森があり、夜間の冷たい吹き下ろしの風を防いでくれます。
これらの条件による穏やかな栽培期間のおかげで、ブドウはゆっくりと熟すため、他エリアに比べて遅い収穫が可能になり、複雑な果実味とニュアンスを持つ、低アルコール度数のミディアムボディのワインが生まれるのです。
 
 

モーゼルを語る上で外せないスレート(粘板岩)土壌

英語ではスレートSlate, ドイツ語でシーファーSchieferと言われる土壌で、泥岩やシルト岩が堆積した後、圧力と高温によって変性した結果生まれた堆積岩の一種です。
その起源は約4億年前のデボン紀にまで遡るといわれています。

このスレート土壌は、パイ生地のように、剥離するようにして割れるという特徴を持ちます。
蓄熱性にも優れており、日中の太陽の熱を備蓄し、夜間に放出しています。
また割れやすいことで、ブドウが地中深くまで根を伸ばすことができるため、痩せた土壌でも必要な水分とミネラルを吸収することができるのです。

 

モーゼルを代表する仕立て方法<棒仕立て>

モーゼルのような、太陽の光を少しでも多く取り入れるために河岸の急斜面にブドウ畑が作られているエリアで見られる仕立て方が<棒仕立て>です。立っているのやっとという急斜面に畑があるのでもちろん機械での収穫は出来ず、全て手作業で収穫を行う必要があります。

そのため、作業を行う人が上下左右に動きやすいように考えられた手法です。具体的にはブドウの木1本ずつ支柱を充て、左右からとった2本の枝を、支柱を中心にハート形に縛りつける整枝方法です。

ドイツと甘口ワイン

ドイツ ワインはなぜ甘口が多いのか?

元来、ドイツにおける食生活は昼食がメインであり、温かい料理はお昼に食べることが多く、夕食はパンとチーズとハム(ソーセージ)といった簡単なもので済ますのが主流でした。
そのため、ワインも夕食後に楽しむ 食事を必要としない甘口スタイルが好まれてきたというわけです。

甘口から辛口へのシフト

最近はドイツにおいても温暖化の影響と栽培醸造技術の向上、食文化の変化により、伝統ある甘口スタイルのものだけでなく、辛口からオフドライといったテイストのワインが増えてきています。

ゼルバッハ オスター

ゼルバッハ家は、多くの銘醸畑が点在するモーゼル川中流のベルンカステル地区ツェルティンゲン村にあり、1661年よりブドウ栽培を行う350年以上もの歴史を持つ伝統ある醸造所です。
 
現オーナーのヨハネスは同じくモーゼル川の上流にあるドイツ最古の町といわれるトリーアで醸造を学んでから、経営やマーケティングについても学び、アメリカでワインビジネスコンサルタントとして経験を重ねました。
1988年に帰郷。その後、醸造所の運営に参画し、現在は妻のバーバラと息子のセバンスチャン、娘のハナも加わり、ワイナリーを運営しています。

ワイナリーの歴史

ゼルバッハ家は、ヨハネスの祖父の時代からケラーライ(ブドウ、ワインを買い付けて、醸造、瓶詰め、販売を専門にする業者)としての高い評価と信頼を得て、輸出も行っていました。※当社扱いJ&Hゼルバッハブランドがこちらにあたります。

1964年以降、自社畑を少しずつ拡張し、現在所有する畑は、モーゼルの中心部、ツェルティンゲンからモーゼル川に沿ってヴェーレン、グラッハ、ベルンカステルまで、6kmの通称「ゴールデンマイル」と呼ばれるエリアにあり、トータルで24haになります。
その中には、第一級の銘醸畑であるゾンネンウーア(ツェルティンゲンとヴェーレンにまたがっています)も含まれています。

ゾンネンウーア

リースリング

栽培品種は、この地域ではローマ時代から栽培されていたと言われる最高級品種リースリングが全体の98%を占め、残り2%はゼクト用にピノブランを栽培しています。平均樹齢は40年で、プレフィロキセラの樹も多く残っています。栽培はほとんどオーガニックですが、必要に応じて一部はサステイナブル栽培を行います。土壌はモーゼル特有の粘板岩(シーファー)で、果実味豊かでしっかりとした酸を持つ上品な味わいのワインを生み出します。

今までは白ワインのみの製造しかしてきませんでしたが、2017VTから新たにシュペートブルグンダーの赤をリリースし、赤ワイン造りにも挑戦しています。

ワイン造りの哲学

ゼルバッハのワイン造りの哲学は
「ブドウ畑ではハンズオン(できる限り手を加える)、醸造所ではハンズオフ(できる限り手を加えない)」です。
収穫は、完熟ブドウのみを厳選し全て手摘みで行います。40度を超えるような急斜面での作業は膨大な仕事量と危険を伴います。
旧式な桶型プレスを今でも「アウスレーゼ」以上に使用し、プレス機は使用しません。

発酵は、ほとんどが天然酵母を使用し、温度管理を徹底し低温で十分に時間をかけて行ない、その後しばらくワインはオリと一緒に寝かされます。ワインの半分は大きく古いオーク樽(「Fuder」)で熟成させます。ワインに樽の風味を加えることはありませんが、少し好気的に行うことでゆっくりと熟成が進みます。
 
「ワイン自身が良いワインを造っていくように、そっとしておくのです。つまり、土壌、畑、ブドウの木が提供してくれる可能性を目一杯実現させるのです。」ともヨハネスは語っています。
自然がもたらすものに応じて、完全にドライからデザートワインの甘さまで、エレガントで繊細なものからリッチで複雑なものまで、さまざまなリースリングワインを生産しています。味のタイプは辛口、中辛口がそれぞれ25%ずつ、残り50%が甘口となっています。
ワインの年間生産量は約10,000ケース。生産の40%は海外に輸出します。

毎年ゴーミヨにおいて4房、ウォール・ストリート・ジャーナルにおいて、ドイツ 1リースリングに選ばれるなど 国内、外で高く評価されているゼルバッハのワイン。ヴィノム誌とハンデルスブラット誌による「ドイツ・ワイン醸造所ベスト100」に登場したり、アイヒェルマンにおいて「2015年最優秀ワイナリー」に挙げられるなど、モーゼルを代表する醸造所として、ゼルバッハはいまなお多くの賞を受けています。

~オーナー ヨハネス氏よりご挨拶~


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ゼルバッハ オスター 取扱いアイテムのご紹介

~ドライタイプ~

商品名
SELBACH-OSTER RIESLING TROCKEN
リースリング トロッケン (SC)
番号
V2810
コメント

モーゼルの自社畑のリースリング100%で造られる。ゼルバッハ オスターのエントリーレンジの辛口スタイル。

残糖度
8g/L前後
 
 
商品名
SELBACH-OSTER ZELTINGER KABINETT TROCKEN
ゼルバッハ オスター ツェルティンガー カビネット トロッケン (SC)
番号
V302
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ツェルティンゲン村 ヒンメルライヒの畑のブドウのみを使用したフレッシュでジューシー、重すぎず軽すぎず、和食との相性も良いキリッと引き締まった辛口。

残糖度
8g/L前後
 
 
商品名
SELBACH-OSTER ZELTINGER SONNENUHR SPATLESE TROCKEN
ゼルバッハ オスター ツェルティンガー ゾンネンウーア シュペートレーゼ トロッケン
番号
V2314
コメント

ツェルティンゲン村の「日時計」という意味のモーゼル川に面した非常に傾斜のきつい南向き畑。

遅摘みのブドウから造る辛口タイプ。熟したアプリコットや桃の芳香に、僅かに塩気を感じるミネラルとハーブの風味が絶妙な非常にエレガントなワイン。
残糖度
残糖度6g/L前後
 
 

~セミスウィート、スウィートタイプ~

商品名
SELBACH-OSTER KABINETT
ゼルバッハ オスター カビネット (SC)
番号
V356
コメント

フレッシュかつ豊かな果実味に程よいミネラル感のあるゼルバッハ オスター自慢のカビネット。

残糖度
残糖度35g/L前後
 
 
商品名
SELBACH-OSTER WEHLENER SONNENUHR RIESLING KABINETT
ゼルバッハ オスター ヴェーレナー ゾンネンウーア カビネット (SC)
番号
V357
コメント

ヴェーレン村のゾンネンウーアの単一畑。平均樹齢40年のブドウを使用。

フルーティでイキイキとした酸。味わい豊かなワイン。
残糖度
残糖度45g/L前後
 
 
商品名
SELBACH-OSTER WEHLENER SONNENUHR RIESLING SPATLESE
ゼルバッハ オスター ヴェーレナー ゾンネンウーア シュペートレーゼ 
番号
V363
コメント

ヴェーレン村のゾンネンウーアの単一畑。平均樹齢40年のブドウを使用。

果実の甘味、酸味、畑からのミネラルが豊かな味わい深い逸品。
残糖度
残糖度80g/L前後
 
 
商品名
SELBACH-OSTER WEHLENER SONNENUHR AUSLESE
ゼルバッハ オスター ヴェーレナー ゾンネンウーア アウスレーゼ 
番号
V372
コメント

ヴェーレン村のゾンネンウーアの単一畑。平均樹齢40年のブドウを使用。

厚みのある、全てにおいてバランスのとれた、味わい豊かな逸品。モーゼルのみずみずしさを楽しめる一本。
残糖度
残糖度104g/L前後
 
 

〜新たなチャレンジ〜

2017VTより赤ワインをリリース
商品名
SELBACH-OSTER SPATBURGUNDER
ゼルバッハ オスター シュペートブルグンダー
番号
V997
ツェルティンゲン村とキンハイム村に位置する0.8haの急斜面。標高160〜190m。南〜南西向きの畑。大西洋の影響を受けた温暖な気候。地質デボン紀の青いスレート土壌。
栽培
平均樹齢25年。植密度7,000本/ha。収量50hl/ha。サステイナブル栽培。10月上旬に手摘み収穫。2017がファーストヴィンテージ。年産2,600本
醸造
ステンレスタンクにて18〜23℃で2週間の発酵後、更に5日間のマセラシオン。1年樽にて10ヶ月の熟成。無清澄・無濾過。


飯田