3世代にわたり、ソアーヴェ地区の新たな可能性を追求しつづける生産者

FATTORI ファットリ

ヴェネト州:ソアーヴェ地区 ファットリの歴史 所有する区画

徹底的なサスティナブル栽培 取り扱いアイテム

ソアーヴェ地区

イタリア最大のワイン産地のひとつ、ヴェネト州の西部ヴェローナ県にあるワイン産地。ソアーヴェというワインは、既に、古代ローマ時代から高品質のワインとして評判でした。中世になり、ブドウ栽培がより盛んになったといわれています。ヴェローナから東に約30kmに位置し、火山性に石灰質が混ざった土壌で、昼夜の温度差が大きくブドウのアロマの形成に良い影響を及ぼします。
使用されるブドウ品種は、ギリシャが起源ともいわれているガルガーネガ(Garganega)が70%以上に、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ、ピノ・ビアンコやシャルドネなどを30%までブレンドして造られています。
※共にSoave Style HPより抜粋
ガルガーネガ
ソアーヴェイメージ
 

DOC認定は1968年で、古い歴史を持ちます。ソアーヴェの格付けには、DOCソアーヴェ、DOCソアーヴェ クラッシコ、2001年にDOCGに認定されたソアーヴェ・スペリオーレ、同じく1998年にDOCGに認定された甘口のレチョート・ディ・ソアーヴェの4種があります。ひとくちにソアーヴェと言っても味わいは快活でフレッシュ感のあるものから、複雑でデリケートなコクのあるワインまで幅広いです。
エリアも広く、土壌の特徴から大きく4つに分けられるといいます

※出展:SOLOITALIA

@の土壌からはフローラルでフルーティな香りのワイン
Aの土壌からはバナナやトロピカルフルーツのような熟成した果実の香りのワイン
Bの土壌からは柑橘系やミネラルを感じるワイン
Cの土壌からはBより強めのミネラルを感じるワイン

ファットリの畑の多くは東側のCのエリアにあり、フレッシュでミネラル豊かなワインに仕上がります。

ファットリの歴史

19世紀の末に初代アントニオ・ファットリがソアーヴェ地区のテロッサ村でブドウ栽培とワイン造りを開始。ヴェローナやヴェネツィアのバーやトラットリアへワインを納入していました。

1970年現当主のアントニオ・ファットリがワイナリーに参画。1979年に兄と共にワイナリーの経営を引き継ぎました。90年代からサスティナブル栽培を実践、醸造中のSO2添加も極力控えるなど、手間隙をかけブドウの持つポテンシャルを最大限に引き出しています。

ブドウと真摯に向き合い、誠実に表現したワインは、どこまでもピュアでエレガントです。アントニオ曰く、「目指すワインは飲みやすく生き生きとした味わいで、エレガントながらしっかりとしたボディを持つワイン」

熱き情熱を秘めたオーナー醸造家
「アントニオ ファットリ」
   
地元の名門コネリアーノ醸造学校とディジョン大学で醸造を学んだ後、世界中のワイナリーを巡って、様々な栽培・醸造方法の経験を積み、1979年にワイナリーを引き継ぎました。伝統的な方法を探りながら、新しい科学的な方法にも挑戦。エレガントなアロマとしっかりしたボディがあり、飲みやすく生き生きしたワインを目指し、次々と上質なワインを生み出しています。

ジョギング、自転車が趣味兼一番のストレス解消法という健康的なアントニオは、60歳間近とは見えない若々しさです。実はアルコールが飲めない体質で、飲めないだけに味に敏感とも言えます。物静かでほとんど自分の事を語らない彼ですが、それだけに一語一語に重みがあり、内に秘めた情熱とオーラが伝わってきます。
 

所有する区画

ソアーヴェの畑は標高150〜450mで、アルポーネ谷の斜面に位置するテッロッサ村周辺と、クラッシコの丘陵にも所有しています。ほとんどが黒い玄武岩土壌ですが、一部黄色や赤色に変色した土壌です。
伝統的なクラッシコのエリアは北東の火山灰質の丘の畑で、風通しを良くするために伝統的なペルゴラ ヴェロネーゼ仕立で栽培しています。テッロッサ村周辺ではペルゴラ ヴェロネーゼ仕立とギュイヨ仕立の両立、標高の高いモット ピアーネの区画ではギュイヨ仕立で栽培をしています。

DOCソアーヴェ クラッシコが認定された当時は、ファットリの本拠地であるロンカ村のエリアは標高が高すぎて「ブドウ栽培には向いていない」と言われていました。ところが近年の温暖化の影響もあり、現在このエリアはソアーヴェにとって最良のエリアと言われています。そこでファットリでは、標高の高い畑に重点を置きよりフレッシュな酸を保ったブドウを育てるようにしています。
 
ヴァルポリチェッラの畑はエリア最東部アルポーネ谷とイッラージ谷の間の尾根に位置するコル・デ・ラ・バスティア地区にあり、12haを所有しています。ソアーヴェの畑が全て火山性土壌であるのに対し、バスティア地区の畑は石灰岩と黄色砂岩(硫黄を豊富に含む)が混じる粘土質土壌となります。

一般的なヴァルポリチェッラ クラッシコの標高が約290メートルに対し、バスティア地区は標高490メートルにもなり、とても高い場所に畑があります。常に風が吹き抜け、水はけがよい丘の斜面に位置するため病害のリスクが少なくブドウが健全に育つため有機栽培を実践しています。更に周囲を森に囲まれ、他のワイナリーの影響を受けにくい点も有機栽培に向いていると言います。

DOCの規定でヴァルポリチェッラで醸造から瓶詰めまでする必要があったため、今までは友人の醸造所を借りてワイン造りをしてきましたが、2015年に念願の自身の新しい醸造所を建設しました。

栽培のキーワードは「徹底的なサスティナブル栽培」

ファットリでは90年代からサスティナブル栽培を実践しています。近年ではより精度の高い持続可能栽培(high level environmental sustainability)という方法に挑戦しています。

・殺虫剤や殺菌剤の使用を止め、代わりに交信錯乱剤(コンフュージョン セクシュエル)や、銅、硫黄、植物由来の製油を使用。
・有機肥料の使用に、火山性土壌に適した緑肥の試験的採用。
・グリーンハーヴェストは全て手作業で実践。

醸造に関しても、テロワールをより表現し、ブドウ本来のアロマを活かすために低温でじっくりと発酵させ、醸造中のSO2添加量も極少量に留めています。

またワインも出来上がりに満足できないロットは全てバルクで販売してしまうなど、徹底した品質保持を行っています。

取り扱いアイテムのご紹介

ファットリが誇る3タイプのソアーヴェ

ファットリでは、異なる3つのタイプのソアーヴェを造っています。

ラテン語のruncare=「耕す」に由来するルンカリス、ファットリ家のニックネームに由来するダニエリ、そしてカヴァリーナ山麓の単一区画の名前に由来するモットピアーネです。
 
V505
商品名

SOAVE CLASSICO RUNCARIS

ソアーヴェ クラッシコ ルンカリス

番号

V505(ハーフH2376)

タイプ

白 / 辛口

クラス
DOCソアーヴェ クラッシコ
品種
ガルガネガ100%

クラッシコ地区 標高150〜250mの14ha。火山性土壌。

栽培

平均樹齢25年。この地方特有の棚仕立て=ペロゴラ・ヴェロネーゼで栽培。植密度は3,500本/ha。
収量60〜70hl/ha、9月末頃に手摘み収穫。

醸造

100%フレッシュグレープを使用。2時間のマセラシオン後、ステンレスタンクにて低温発酵、その後同じタンクにて3月初旬まで静置。

コメント

ソアーヴェに求める要素をバランス良く上品に兼ね備えた逸品。素材を生かす繊細な果実味が魅力。

V637
商品名

SOAVE DANIELI

ソアーヴェ ダニエリ

番号

V637

タイプ

白 / 辛口

クラス
DOCソアーヴェ
品種
ガルガネガ100%

ロンカ村とテッロッサ村の丘に8ha。標高150〜250m。クラッシコエリアから谷(平野)を挟んだ反対側の斜面。火山性土壌。

栽培

平均樹齢25年。ペルゴラ・ヴェネローゼ仕立とギュイヨ仕立。植密度は3,500-4,800本/ha。収量8t/ha、収穫9月下旬〜10月中旬、手摘み。一部、遅摘みブドウを使用。

醸造

年によって遅摘み若しくは短期間(約1ヶ月)陰干しのブドウを10〜15%使用。圧搾後、果汁を2時間2℃に冷却し、36時間のスキンコンタクト。12℃でステンレスタンク発酵。

コメント

限定された区域で産するソアーヴェ。フレッシュで澄んだ味わいに、厚みのあるリッチな果実味。余韻にミネラルを感じるワイン。

V670
商品名

SOAVE MOTTO PIANE

ソアーヴェ モット ピアーネ

番号

V670

タイプ

白 / 辛口

クラス
DOCソアーヴェ
品種
ガルガネガ100%

3.9ha。DOCの東側に位置するカルヴァリーナ山麓の畑。標高250〜300m。火山性土壌。

栽培

樹齢30年。ギュイヨ仕立て。植密度は5,000本/ha。収量2,800L/ha。9月中旬に手摘み収穫。藁のマットの上に、約1ヶ月陰干し。

醸造

100%陰干し(約1ヶ月)のブドウを使用。ステンレスタンク及び小樽と25hlの大樽にて醸造。

コメント

柑橘フルーツに加えピーチやアプリコットの芳醇なアロマ。バルサミコ、ドライフルーツ、ミントやセージ等の様々なニュアンスもあるバランスのよい白。

フレッシュでエレガントかつ繊細なアマローネ

V023
商品名

AMARONE DELLA VALPOLICELLA COL DE LA BASTIA

アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ コル デ ラ バスティア

番号

V023

タイプ

赤 / 辛口

クラス
DOCGアマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ
品種
コルヴィーナ65%・コルヴィノーネ15%・ロンディネッラ10%・他10%

アルポーネ谷とイッラージ谷の間に位置するバスティアの12haの畑。標高450m。特に白や赤の頁岩による石灰岩構造の変化によってできた僅かな傾斜の幅広い台地のアルカリ性粘土頁岩土壌。火山岩(玄武岩)はなし。

栽培

若樹と樹齢20〜35年。植密度5,500本/ha。収量60〜70hl/ha。9月後半に手摘みで収穫し、“fruttaio”と呼ばれる乾燥棚で12〜1月まで約3ヵ月乾燥させる。

醸造

小さいステンレスタンクで発酵&醸し。500Lと1,000Lの樽で18〜24ヶ月の熟成。

コメント

黒系フルーツの凝縮された果実味に程よいタンニンを持つワイン。しっとりとした質感に濃厚さと上品さが調和した心地よい味わい。

ファットリのワインはどれもブドウのポテンシャルを最大限に引き出した「ピュアでエレガント」な味わいです。
伝統的なソアーヴェだけでなく、常に新たなチャレンジを続けるファットリ。
今後、更なる進化が期待できる注目の生産者です。

その他にもファットリではテロワールを活かした素晴らしいワインを造っています。
ワイナリー及び取扱い商品の詳細はこちらからご覧ください。

飯田