テーゲルンゼアホーフ |
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世界遺産にも認定されているオーストリア随一の銘醸地ヴァッハウ。この地に拠を置くテーゲルンゼアホーフは、1000年以上の歴史を誇る生産者です。
テーゲルンゼアホーフの歴史を遡ると、西暦1002年、神聖ローマ帝国の皇帝ハインリヒ2世から12haの土地を拝受け、以降、1176年に建てられた建物もその名前を受け継ぐなど、約1,000年に渡って伝統を守っています。
現在はミッテルバッハ家が所有し5代目のマルティンが運営しています。
代々伝わってきた自社クローンから秀逸な結果を残すブドウの樹を選別、その穂木を台木につけて増やす(マサルセレクション)という方法で、伝統を重んじながらも品種とテロワールの個性を重視する、独自性に溢れたワイン造りを行っています。
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マルティン・ミッテルバッハ |
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オーストリアワインの特徴 |
オーストリアは、ローマ時代に遡る2千年以上にわたって長い伝統を持つワイン生産国です。
特に昨今、いくつかのユニークな特徴によってオーストリアワインは世界中で注目されています。
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<コントラストが際立つ気候>
オーストリアは内陸の中央ヨーロッパに位置しますが、乾燥して暖かい大陸性のパノニア気候、穏やかで湿潤な地中海性気候、そして北からの冷気が交差する特別な場所です。
また、ブルゴーニュと同じ緯度にあり、気温差がより激しく夏の暑い日中と冷涼な夜によって、アロマティックでフレッシュかつキリッとした味わい、緻密で深みがある洗練されたスタイルのワインが生まれます。 |
 オーストリアの緯度 |
<個性溢れるワイン産地と土壌>
オーストリアのワイン産地は、主に東側のエリアに集中しており、ニーダーエスタライヒ州、ウィーン州、ブルゲンラント州、シュタイヤーマルク州の4州でほとんどのワインが造られています。
ニーダーエスタテライヒは結晶岩の段状斜面畑に厚いレスの地層、北ブルゲンラントと南シュタイヤーマルクは石灰の多い土壌、南東シュタイヤーマルクの火山性の土壌、と小さいワイン産地ながらそれぞれ明確な個性があり、テロワールを表現するワインが造られています。 |

オーストリアのワイン産地 |
<国内外で高い評価 固有品種と国際品種>
オーストリアで最も多く栽培されている白ワイン用の品種であり、オーストリア固有品種として最も優れた品種のひとつとして認められているのが、グリューナー・ヴェルトリーナーです。深いレスの土壌で特によく育ち、ニーダーエスタライヒとブルゲンラント北部で広く植えられています。原産地呼称の規定においても特別な位置付けの品種です。今日では、ザンクト・ラウレントのような赤ワイン用の固有品種も注目されるようになりました。
また、国際品種のリースリング、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)、シャルドネやピノ・ノワールといった人気品種でも、それぞれの産地でそのテロワールをよく表した独自のワインを産出しています。 |
<徹底した品質管理>
オーストリアでは、自然に対して特別な敬意が払われており、環境保全、遺伝子組み換えをしていない食品へのこだわり、生物多様性、エネルギーや資源の有効活用などをとても大切にしています。
今日、オーストリアにおける農業全体の21%、全ブドウ畑の13%以上が有機農法のガイドラインに従って耕作されており、有機耕作面積の割合は世界トップクラスとなっています。サスティナブルなワイン造りの公的認証制度もあり、国際的な評価の高さに繋がっています。 |
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<多様なスタイルのお料理に合わせやすい味わい>
現在のオーストリアのワイン造りは、少量生産・高品質主義。コストパフォーマンスに優れ、フード・ペアリングのしやすいことも特徴です。
今も残るローマ時代のセラーや中世の村々、バロック様式の美しい修道院や城のなど、ワイン産地の素晴らしい景観が世界中の人々を魅了しているオーストリアですが、昨今、食の分野でも注目されています。
例えば、ウィーンにある<シュタイラーエック>は、洗練されたオーストリア料理を提供し、サンペレグリノの「世界のベストレストラン50」で14位を誇っています。
オーストリアの料理は酸味や塩味が強めで、スパイスやハーブをふんだんに使ったものが多く、特に地場品種のグリューナー・ヴェルトリーナーやブラウフレンキッシュとの相性が非常に良いです。また、和食とも好相性で、様々なお料理とあわせて楽しめるのがオーストリアワインの醍醐味と言えます。
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レストラン シュタイラーエック |
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オーストリアの至宝 メルク修道院 |
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世界遺産にも登録される銘醸地 ヴァッハウ |
ヴァッハウは、首都ウィーンから西北西に約60km、ドナウ川沿いのクレムス村とメルク村の間に位置し、ドナウ河の曲がりくねった河岸の北側斜面に東西約20kmにわたって連なるオーストリアを代表するワインの銘醸地です。
渓谷一帯は、美しい「文化的景観」としてUNESCOの世界遺産にも登録されています。
ヴァッハウの気候は、西の海洋性気候と東のパノニア気候が相互にかみ合っており、また暑く乾燥した夏と厳しい冬の寒さはドナウ河によって和らげられ、北方のヴァルトフィアテル地域からの涼しい夜風は日中と夜間の気温差を広げています。
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ヴァッハウの地図 |
年間降水量520mm前後という少ない雨量の条件下、原生岩土壌の急斜面に造られた独特な石組みのテラス状の畑から、オーストリアを代表するグリューナーヴェルトリーナー種とリースリング種のワインが生み出されています。
味わいの大きな特徴は、ミネラルが強く塩味を感じる心地よい苦味、そしてボリューム感です。 |

グリューナー・ヴェルトリーナー |

リースリング |
またヴァッハウでは、それぞれの場所で傾斜、太陽への向き、土壌環境、さらには日中の太陽熱を吸収する石造りの壁や崖といった要因によって、独自のミクロクリマが存在しており、生産量は多くはないですが世界的に見てもユニークなワイン造りが行われています。
<ヴァッハウ内のテロワールの差異>
ドナウ河の北側(左岸)と南側(右岸)では、テロワールが異なっており、日当たりのよい北側に銘醸畑があります。
また、ドナウ河の西側は冷涼で、東に行くほど少しずつ暖かくなっていきます。なかでも河の最東部には有名生産者が軒を連ねており、よりパワフルで熟成のポテンシャルが高いワインを産出します
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ヴァッハウの石垣 |
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ヴィネア・ヴァッハウ 独自の格付け |
ヴィネア・ヴァッハウは、ヴァッハウの歴史ある生産者による協会で、品質の高いワイン造りの基準を保障しています。
1980年代の中頃、ヴァッハウで革新的な考えをもつ優れた生産者たちのグループ「ヴィネア・ヴァッハウ(Vinea Wachau)」は、同じく”ヴィネア・ヴァッハウ”と名付けられた、彼ら独自の規格を発表しました。この規格では、添加物なし、凝縮化なし、芳香化なし、等を基本ルールとして、辛口の白ワインをアルコール度数を基に3つのカテゴリーに区分しています。
Steinfederシュタインフェーダー:(帽子に飾りでつける野草の名前)
フルーティー、チャーミング、軽快&手ごろなタイプ。アルコール度数11.5%まで
Federspielフェーダーシュピール:(鷹狩の道具)
フルボディで複雑、クラシックな辛口。ほどよい凝縮感あり、レストランなどで料理と合わせやすいレンジ。アルコール度数11.5〜12.5%
Smaragdスマラクト:(日当たりのいい畑にいるエメラルド色のとかげ)
フルボディの長熟タイプのワイン。最上級でヴィネア・ヴァッハウの最も貴重なワイン。アルコール度数12.5%以上。 |
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ヴィネア・ヴァッハウの3つのトレードマーク |
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テーゲルンゼアホーフの畑 |
テーゲルンゼアホーフは、ヴァッハウの中でも最良のワインが産出される最東部のデュルンシュタインにあります。
畑は全部で27ha、日照時間の長く風の影響の強い、ヴァッハウの最良な斜面に位置しています。9つの単一畑を所有し、主にグリューナー・ヴェルトリーナーとリースリングを生産しています。除草剤や殺虫剤不使用のサスティナブル農法で栽培し、急斜面の小さなテラス状の区画のブドウを全て手摘みで丁寧に収穫します。
リースリング種:
斜面上部のテラスに植える事によって収穫時期を遅らせてワインに奥深さを与える
グリューナー・ヴェルトリーナー: 黄土を多く含む下部のテラスに植え、ワインに柔らかさとスモーキーさを与える。
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テーゲルンゼアホーフもまた、ヴァッハウの生産者団体「ヴィネア・ヴァッハウ」に所属し、オーク樽を使わずに、品種に関わらず各クリュの特徴が明確でアロマの多様性が感じられるワインを造っています。 |
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<偉大なワイン産地ロイベンベルグ> |
ワイナリーのあるデュルンシュタインは、ヴァッハウ渓谷の最も下流に位置し、オーストリア最初のワイン産地と言われているロイベンベルクのあるエリア。ヴァッハウ渓谷のなかでも比較的温暖な気候と、片麻岩質土壌の斜面のテラス状の畑から偉大なワインを生み出します。
テーゲルンゼアホーフもこのロイベンベルグの最良の斜面に畑を所有しており、上品なストラクチャーに長い余韻を伴う素晴らしいワインを造っています。 |

ロイベンベルグの畑 |
近年、念願だった「ヴィネア・ヴァッハウ」への加入も果たし、勢いに乗るテーゲルンゼアホーフ。
樹齢も不明の古い地場品種が混植されたお気に入りのツヴェリターラーの畑などで、益々精力的に生命力に溢れたワイン造りに挑戦しています。今では、国内外で注目されている、ヴァッハウの熱い生産者です。 |
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テーゲルンゼアホーフのワイン |
<ロイベンベルグのワイン>
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商品名 |
TEGERNSEERHOF GRUNER VELTLINER RIED LOIBENBERG SMARAGD |
テーゲルンゼアホーフ リード ロイベンベルク スマラクト グリューナー ヴェルトリーナー (SC) |
番号 |
V735 |
色 |
白 |
クラス |
スマラクト |
品種 |
グリューナー ヴェルトリーナー100% |
畑 |
デュルンシュタインの「ロイベンベルク」単一畑の1.5ha。標高213〜396m。西〜南向き。
温暖な西風の影響を受けた内陸性気候。片麻岩土壌のテラス状に広がる畑の、より多くの黄土を含む下部。 |
栽培 |
平均樹齢30〜40年。コルドン仕立て。植密度3,000〜4,000本/ha。除草剤、殺虫剤不使用。
10月中旬に手摘み収穫。年産6,000本。 |
醸造 |
24時間までの低温浸漬後、23℃でステンレスタンクにて発酵。天然酵母使用。マロラクティック発酵を行う。
ステンレスタンクにて1年の熟成。濾過後瓶詰め。 |
コメント |
完熟メロン、砂糖漬けオレンジ、洋ナシやマルメロのニュアンスが魅力的なグリューナー・ヴェルトリーナー。
綺麗な酸としっかりしたストラクチャーにミネラリーでスパイシーなフィニッシュ。 |
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商品名 |
TEGERNSEERHOF RIESLING RIED LOIBENBERG SMARAGD |
テーゲルンゼアホーフ リード ロイベンベルク スマラクト リースリング (SC) |
番号 |
V737 |
色 |
白 |
クラス |
スマラクト |
品種 |
リースリング100% |
畑 |
デュルンシュタインの「ロイベンベルク」単一畑の1ha弱。標高213〜396m。西〜南向き。
温暖な西風の影響を受けた内陸性気候。堆積した黄土を含む片麻岩土壌のテラス状に広がる畑の上部。
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栽培 |
平均樹齢30〜40年。コルドン仕立て。植密度3,000〜4,000本/ha。除草剤、殺虫剤不使用。
10月下旬に手摘み収穫。年産8,000本。
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醸造 |
24時間までの低温浸漬後、23℃でステンレスタンクにて発酵。天然酵母使用。マロラクティック発酵を行う。
ステンレスタンクにて1年の熟成。濾過後瓶詰め。
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コメント |
ピーチ、パイナップルやパッションフルーツの様な豊かなアロマとミネラリティを持ち合わせたエレガントなリースリング。
生き生きした酸、クリーミーな口当たりと長い余韻を誇る素晴らしいクリュ。 |
<その他の取り扱いワイン>
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商品名 |
TEGERNSEERHOF GRUNER VELTLINER RIED SUPERIN FEDERSPIEL |
テーゲルンゼアホーフ リード ズッペリン フェーダーシュピール グリューナー ヴェルトリーナー (SC) |
番号 |
V740
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色 |
白 |
クラス |
フェーダーシュピール |
品種 |
グリューナー ヴェルトリーナー 100% |
畑 |
デュルンシュタインの「ズッペリン」単一畑の1ha。標高196〜215m。西〜南向き。
大陸性気候。片麻岩と沖積土壌。 |
栽培 |
平均樹齢35年。コルドン仕立て。植密度3,000〜4,000本/ha。除草剤、殺虫剤不使用。
9月末に手摘み収穫。年産10,000本。
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醸造 |
24時間までの低温浸漬後、23℃でステンレスタンクにて発酵。天然酵母使用。マロラクティック発酵を行う。
ステンレスタンクにて半年の熟成。濾過後瓶詰め。
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コメント |
スパイスのニュアンスが魅力的なグリューナー・ヴェルトリーナー。ジューシーでエネルギッシュな口当たり。
リンゴや洋ナシを思わせる味わい。ミネラリーで長い余韻。
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商品名 |
TEGERNSEERHOF RIESLING TERRASSEN FEDERSPIEL |
テーゲルンゼアホーフ テラッセン フェーダーシュピール リースリング (SC) |
番号 |
V741 |
色 |
白 |
クラス |
フェーダーシュピール |
品種 |
リースリング 100% |
畑 |
デュルンシュタインの複数区画のブレンド。標高200〜350m。西〜南向き。大陸性気候。
ロイベンベルク山の斜面に広がるテラス状の畑。
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栽培 |
平均樹齢30年。コルドン仕立て。植密度3,000〜4,000本/ha。除草剤、殺虫剤不使用。
10月上旬に手摘み収穫。年産15,000本。
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醸造 |
24時間までの低温浸漬後、23℃でステンレスタンクにて発酵。天然酵母使用。
マロラクティック発酵を行う。ステンレスタンクにて半年の熟成。濾過後瓶詰め。
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コメント |
白桃や柑橘のデリケートで華やかなアロマ。熟したフルーツの味わいにミネラル感がバランスをもたらす。
綺麗な酸が魅力的。
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