偉大なシャルドネを生む最上のテロワール リムーを世界に知らしめた
ラングドック・ルーシヨンのスーパースター

SIEUR D'ARQUES シュール・ダルク

見出し

歴史的なワイン産地 リムー シュール・ダルク リムー4つのエリア

こだわりのブランド<トック・エ・クロシェ> チャリティー イベントとしての「トック・エ・クロシェ」

オークション 偉大なシェフの記念碑 2019年度のトック・エ・クロシェ オークションの結果

歴史的なワイン産地 リムー

リムーは古都カルカッソンヌの南西25km、ピレネー山麓の盆地に位置し、海洋性と地中海性の両方の長所を備えた恵まれた気候のワイン産地です。ワイン造りの歴史は非常に古く、今日においても非常に需要な産業となっており、世界で最も古いスパークリングワインと言われているブランケット・ド・リムーを産出することで有名です。

そのスパークリングワインはサンティレール修道院によって1531年に開発されたと言われており、当時のアルク村の領主(Sieur d’arques)が好んでよく飲んでいたと記された古文書が今も残っています。1938年にモーザックを主体としたブランケット・ド・リムーがAOCとして認められ、ラングドック・ルーシヨン初のAOCとなりました。主要品種としてシャルドネを認めるAOCクレマン・ド・リムーも1990年に誕生しました。

このようにスパークリングワインの歴史的な産地にもかかわらず、リムーでは素晴らしい白ワインも造られています。
ランクドック・ルーシヨンは赤ワインの多い産地ですが、その中でリムーは地中海から離れており、最も標高が高く冷涼な気候がフランス国内におけるシャルドネのトップ・テロワールの一つとして評価されています。

AOCリムーの白は収量50hl/haに制限され、樽発酵・樽熟成も義務となっており、デリケートなアロマ、綺麗な酸、エレガントなミネラル感、複雑さ、その全てを持ち合わせた素晴らしいバランスが特徴です。

このリムーの地でトップレベルのシャルドネ種のワインを産出しているのがシュール・ダルクです。
リムーの白がAOCに認定される以前から、シュール・ダルクは世界中のワイン愛好家を集めてワインのオークションを行っており、また、赤ワインについても80年代から他社に先駆け、いち早く生産を始めました。

※AOCリムー白・・・1993年にAOCに認定。AOCリムー赤・・・2004年にAOCに認定。

地図
カルカッソンヌ
カルカッソンヌ
サンティレール修道院
サンティレール修道院
古文書
古文書
リムーのシャルドネ
リムーのシャルドネ

シュール・ダルク

シュール・ダルクは1946年にリムーに設立された協同組合です。大西洋、地中海とピレネー山脈にはさまれた約1,800haもの畑を管理する、リムーのみならず南仏を代表するワイナリーで、協働する205軒の栽培家によって所有されています。現在同社を運営しているのは、その全ての栽培家によって選出されたピエール・ルイ・ラファルジュです。

シュール・ダルクは産地のリーダー的存在であり、2017年では約1,000万本を生産し、リムーの全ワイン生産量の60%以上を占めています。その大半はAOCのスパークリングワインで600万本、AOCの赤白は僅か30万本、残りはヴァン・ド・ペイにあたります。ただ近年は相次ぐ収穫量減少の影響で生産量が需要に追いつかず、新たな顧客を断らざるを得ない状況になっています。
シュール・ダルクの顧客の60%前後がフランス国内で、残りは約60カ国に輸出されています。現在はリムーに合計5.3万uの2つの醸造所を所有し、更に3ヵ所目を建設中です。またスパークリングワインの瓶内熟成用に1,100万本を保管できるセラーを、スティルワインの樽熟成用には別に2,000uのカーヴも所有しています。

品質管理にも徹底的にこだわっており、畑から瓶詰めまでのトレーサビリティーはISO9001、衛生管理はISO2200に加え、IFSやBRCなどを認証取得しており、どの認証も毎年更新されています。
ワイナリー 〜昔〜
ワイナリー 〜昔〜
ワイナリー 〜現在〜
ワイナリー 〜現在〜
シュールダルクの畑
シュールダルクの畑
ボトリング場
ボトリング工場

シュール・ダルクの最大の目的は、自社畑のポテンシャルを最大限に活かす事です。テロワールの把握を最重要課題にしているシュール・ダルクは、土壌・畑の向き・標高や日照をもとに、3,800もの区画を細かく区分けしました。その結果、区画毎の栽培&醸造が最も進んでいるラングドック・ルーシヨンの協同組合となっています。

シュール・ダルクでは収量制限や自然に優しい栽培などを義務付けしており、栽培家はその基準を満たすためにアドバイスを受け、畑仕事を行っています。
更に2007年からはサスティナブル栽培に力を入れており、ワイナリーとして出来るだけ自然に優しい企業になるよう努力しています。サスティナブル栽培のサポート、最新技術でSO2の使用量や水・エネルギー消費の減少、人にやさしい職場造り、景観の保存、軽量ボトルやソーラーパネルの使用などで、Vignerons en Developpement Durable(VDD)という認証を受けています。
※VDDはワイン業界における栽培から消費まで全段階を管理する唯一の認証団体です。

ワイナリーでは、各区画の個性をより際立たせるよう丁寧な醸造を行います。白ワインに関しては、醸造の革命家として名高いボルドー大学教授の故ドゥニ・デュブルデューの協力を得て、長年ワインの品質向上に積極的に取り組んできました。

白ワインに限らず常に品質向上を追求しているシュール・ダルクのワインは毎年様々なコンクールをはじめ、国内外で高い評価を得ています。
エコセール
VDDマーク

4つのエリア

シュール・ダルクの品質向上の礎にもなったリムーのテロワール選別の結果、合計3,800の区画が大きく4つのエリアに分けられました。

エリアは、地中海気候の暑く乾燥した東側、大西洋の影響を受ける温暖な西側、その両方の特徴をあわせ持つ中央部、そしてピレネー山脈に近い冷涼な高地の南側と、4つの独自のミクロクリマと土壌に分けられます。
4つのテロワール

メディテラネアン:地中海気候の暑く乾燥した東側

リムーの東側に位置。総合面積459ha。標高100〜200m。
ロームと粘土石灰質の下層に砂利質土壌。
地中海の影響の強いエリア。非常に暑く乾燥しています(年間雨量550mm)。
水はけが良く、夏場にはブドウ樹は枯渇します。
他のエリアと違い黒ブドウが多く栽培され、栽培面積の30%を占めています。

畑はガリーグ(地中海沿いのエリアに繁盛するタイムやローズマリー、ローリエなどの野生ハーブ)、桃、アーモンドやオリーブの樹に囲まれています。ナッツやパン、柑橘系のアロマを持つまろやかでフルーティなワインが生まれます。
メディテラネアン

オセアニック:大西洋の影響を受ける温暖な西側

リムーの西側に位置。総合面積630ha。標高200〜300m。
砂岩の下層に砂利を含む粘土石灰質土壌。
大西洋の影響の強いエリア。最も湿気の多いエリア(年間雨量850mm)。
地下に十分水が溜まるので夏場でもブドウ樹が枯渇することはありません。

畑はオーク、サクラ、アーモンドやオリーブの樹に囲まれており、レモンなどの柑橘系のアロマを持つフレッシュなワインが生まれます。
オセアニック

オータン: 両方の特徴をあわせ持つ中央部

リムーの中心地を囲む斜面に位置する畑。総合面積444ha。標高150〜200m。
石灰の下層に砂利もしくはローム質土壌。
海の影響の強いエリア。暑くて乾燥した気候(年間雨量570mm)。
地下には水が溜まらないため夏場にはブドウ樹は枯渇します。

畑はガリーグ(地中海沿いのエリアに繁盛するタイムやローズマリー、ローリエなどの野生ハーブ)、オーク、アーモンドやアプリコットの樹に囲まれています。柑橘系、花、スパイスやメンソールのアロマを持つ厚みのあるワインが生まれます。
オータン

オート・ヴァレ:ピレネー山脈に近い冷涼な高地の南側

リムーの南側に位置。総合面積329ha。標高350〜470m。
砂利を含む赤粘土石灰質土壌。
ピレネー山脈の影響の強いエリア。涼しく、湿気の多いエリア(年間雨量800mm)。
地下には水が溜まらないため夏場にはブドウ樹には多少ストレスがかかります。
畑はオーク、栗や松の樹に囲まれており、フレッシュフルーツや柑橘系のアロマを持つミネラル感の強いワインが生まれます。僅かにピノノワールも栽培されています。

オート・ヴァレ

シュールダルクのこだわりのブランド<トック・エ・クロシェ>

シュール・ダルクではいくつかのレンジのワインを造っていますが、そのテロワールを最も表現しワイナリーを一躍有名にしたのは、1989年にスタートしたこだわりの上位ブランド<トック・エ・クロシェ>です。醸造家の努力の結晶であるトック・エ・クロシェは、世界のレストランを顧客対象にした数量限定のブランドで、同社が行う地元の歴史的教会保存のためのオークションとその際の有名料理人の協力を表す、トック(料理人の帽子)とクロシェ(鐘楼/教会)に由来しています。

トック・エ・クロシェのワインは、最も良い区画のブドウから造られた樽発酵&熟成の4つのシャルドネ種のスティルワインを中心に、長期熟成(36〜48ヶ月)の上級クレマン、オキュルシュという最上の赤ワインによって構成されています。
ガラディナーの準備

4つの白ワインは、シャルドネ種のみを使用し、同じ醸造方法でテロワール毎に造られています。

メディテラネアンラングドックの太陽を浴びて深い黄色。スパイスのニュアンス。フルーティでまろやか。魚介類、特にゆで牡蠣、ヘダイのオイル焼きやブイヤベースに良く合います。

オセアニック
白い花に柑橘系のアロマ。熟成ポテンシャルもあり、余韻も長く非常にバランスの良いワイン。カレー風味のチキン、帆立やクリームソースの魚に良く合います。

オータン
:リッチながらも、フレッシュさとエレガンスも持つワイン。華やかなアロマに焼いたパンのニュアンス。コンテチーズ、オランデーズ・ソースやベアルネーズ・ソースの魚に良く合います。

オート・ヴァレ:白い花を思わせる芳香、ミネラル感とふくよかな酸が素晴らしいワイン。帆立やエビ、フェンネルを使った魚料理に良く合います。

トックエクロシェシリーズ

チャリティー イベントとしての「トック・エ・クロシェ」

シュール・ダルクは毎年春先に、リムーをあげての大きな祭典(イベント)を開催します。その名も「トック・エ・クロシェ」です。
リムーにはローマ時代に遡る歴史的建造物が多く、シュール・ダルクはエリアを代表する企業としてその保存を目的にチャリティー・イベントとしての「トック・エ・クロシェ」を始めました。

リムーには42の村がありますが、毎年違う村がイベントの開催地に選ばれ、その年の利益が村の教会(鐘楼)の保存に充てられます。普段数百人しか住まない様な小さな村が、その1日だけは3〜4万もの人で溢れます。大勢の観光客達は南仏の青空の下、音楽を聴きながら散策し、シュール・ダルクのクレマンをはじめトック・エ・クロシェの白ワインを楽しんでいます。

教会
鐘楼
クロシェ(鐘楼)

クロシェ(教会)

「トック・エ・クロシェ」の祭典

オークション

このワイン・オークションは、リムーがAOCに認定される以前の1990年に初めて開催され、ワイン・レストラン業界等のプロフェッショナル達から絶賛されました。回を重ねるごとに好評を博し、現在では来場者700人を超える一大イベントとして世界的に有名になっています。

オスピス・ド・ボーヌに次ぐフランス最大のワイン・オークションで、その利益の一部は各村の教会の保存に充てられています。
各村を代表するワインは、シュール・ダルクのエノローグがそれぞれ厳選した単一畑のブドウから造られます。選ばれた畑の栽培家には5年間毎に厳しい基準を満たす義務があり、シュール・ダルクが定期的にその畑を確認しています。

ブドウは手摘みで収穫され、シュール・ダルクのエノローグによって区画毎に丁寧に醸造されます。出来上がったワインは12名のソムリエによって試飲され、競売用の樽がさらに厳選されます。どのワインも醸造は同じで、テロワールそのものを純粋に表します。
オークションは世界中から集まったプロフェッショナルによる試飲の後、開催されます。

各キュヴェ2〜3樽、合計100樽前後が2時間の内に完売します。

オークションの光景

偉大なシェフの記念碑

オークション後は毎年3つ星レストランのシェフとソムリエがスポンサーとなり、ガラディナーが開催されます。
オークションは本年30周年目にあたり、その間多くの偉大なシェフを迎えました。ロブション、ボキューズ、デュカスをはじめガニャール、トロワグロなど世界的に有名なシェフがトック・エ・クロシェのワインをサポートしました。その感謝を込めて、シュール・ダルクが再建に挑戦しているフランドリー城の畑に各シェフの記念碑が立てられています。
シェフと同様、フィリップ・フォール・ブラック(ワールド・ベスト・ソムリエ&フランスソムリエ協会長)、オリヴィエ・プシエ(ワールド・ベスト・ソムリエ)やアンドレアス・ラーソン(ワールド・ベスト・ソムリエ)など、偉大なソムリエの記念碑も立てられています。

フランドリー城
フランドリー城
ロブション
ジョエル・ロブションの記念碑
デュカス
アラン・デュカスの記念碑
ボキューズ
ポール・ボキューズの記念碑

2019年度のトック・エ・クロシェ

2018年はリムーで起こったテロの影響で祭典(イベント)は緊急中止となりましたが、今年は“La Digne D’amont”(ラ・ディーニュ・ダモン)という村で開催されました。その収益は、村の中心にある10世紀の小さな教会の保存に充てられました。
シュール・ダルクは30年間で約3.000樽を競売し、歴史的建造物の保存に約5億円もの貢献をしてきました。

2019年も国内外から多くのワイン関係者がオークションに参加しました。本年のスポンサーは、サヴォワ地方「ラ・ブイット」のシェフ、メイユールとソムリエのアントワン・マリー・ブルリエで、サヴォワの伝統的な素材で素晴らしいディナーとワインのペアリングを提供下さいました。
ラ・ディーニュ・ダモン村
2019年開催地:ラ・ディーニュ・ダモン村
ラ・ディーニュ・ダモン村のクロシェ
ラ・ディーニュ・ダモン村のクロシェ
ルネ&マキシム メイユール親子
ルネ&マキシム メイユール親子
ガラディナー
ガラディナー

【トック・エ・クロシェ ガラディナー2019メニュー】

・前菜3種/フレッシュな牡蠣 ゆずのジュレ玉添え、
 シャンベリーベルモット風味の川かますのタルト、 ボーフォールチーズのグジェール

×トック・エ・クロシェの最上級クレマン(エクストラ・ブリュットの48ヶ月熟成)。
  (今秋入荷予定)
前菜

・生乳ラクレットのスフレ

×クレマン・ブリュット・リミテッド・エディション(弊社取扱い商品 S2357)

・岩魚の真珠仕立て ルッコラ添え ジュネピ(ハーブリキュール)風味の
  フュメ・ド・ポワソンソース

×オート・ヴァレ 村名(クロシェ ド サン セルヴァン)

・フォワグラのエスカロップととうもろこしのガレット
  グリーンパウダー風味の煮詰めたヴィネガーソース、ハチミツ添え

×メディテラネアン 村名(クロシェ ド ピュウス)

・ひな鳩のココット焼き キノコのラグートースト ハーブソース添え

×オキュルシュ(弊社取扱い商品 V2218)

・メレンゲ、ジャム、シャーベット、ビスケット… 全てミルクを贅沢に使ったデザート

×プリュミエール・ビュールのロゼ(クレマン)




オークションの結果

今年もフランス国内の落札者が最も多いことに変わりはありませんが、130名もの海外のワイン関係者が参加し、28樽を落札したオランダなど、積極的に数多くの樽を購入していました。
ディナーのスポンサーであるメイユール本人もオート・ヴァレのSt Polycarpe(サン・ポリカルプ)というキュヴェを落札しました。
その他、三つ星シェフのジル・グジョン、フランス・ベスト・ソムリエのドミニク・ラポルトやワールド・ベスト・ソムリエ&フランスソムリエ協会長のフィリップ・フォール・ブラックなど、今年もオークションには偉大なシェフやソムリエが多く参加し、全ての樽が一瞬で完売しました。

メイユールの記念碑
メイユールの記念碑

メイユール
オークション(メイユール)
オークション
オークション(中央眼鏡の男性がフランスソムリエ協会長)

その品質の高さと有名レストランの採用実績で世界的に注目されているシュール・ダルク。
今後ますます目が離せない生産者です。

ワイナリー及び取扱い商品の詳細はこちらからご覧下さい。


飯田